海外の暗号資産取引所CoinEx(コインイーエックス)が、取引所としての運営をやめると発表しました。最終的な閉鎖日は2026年12月22日です。ウォレットなど取引所とは別の事業は、今回の終了の対象外とされています。
期限は2つあります。保有している銘柄をそのままの形で引き出せるのは、UTC 9月29日02:00(日本時間では同日11:00)までです。それを過ぎると、外部の市場に流動性がある銘柄は売却されてUSDT(ドル建てのステーブルコイン)に換えられ、流動性がない銘柄は段階的に取扱いをやめてウォレットの維持も止めると書かれています。CoinExの独自トークンCETは、これとは別に自動で買い戻されます。出金の受付そのものが終わるのは、UTC 12月22日02:00(日本時間では同日11:00)です。どちらもその日の終わりではなく、午前の時刻で締め切られます。
12月22日を過ぎても引き出されなかったUSDTは別の保管先へ移され、そこからは出金期間の終了時点の残高の5%が毎月、保管手数料としてかかると同社は説明しています。
CoinExは、金融庁の暗号資産交換業者の登録一覧にも、無登録業者の警告一覧にも記載がありません。
この記事で分かること
- CoinExが公表した日程(9月15日・22日・29日・12月22日に何が止まるか)
- 「原資産のまま引き出す」「USDTに換えられる」「取扱いをやめられる」の分かれ目がどこにあるか
- 12月22日を過ぎて残った未出金のUSDTがどう扱われるか(保管手数料と2028年8月22日の請求期限)
- CET(CoinExの独自トークン)の買戻しの条件
- 金融庁の2つの一覧で、CoinExがどう扱われているか
本記事はCoinExおよび金融庁の公表資料の記載を整理したものであり、特定の投資判断や資産の移動を推奨するものではありません。
何が発表されたのか
CoinExは、Important Notice on CoinEx’s Orderly Cessation of Operations(CoinExの秩序ある運営終了に関する重要なお知らせ)を公表しました。告知ページの掲載日は2026年9月14日と表示されており、本文は「本告知の日付である2026年9月15日」から段階的にサービスを止めていくとしています。
同社が決定の理由として挙げているのは、次のものです。
暗号資産市場の長期的な低迷、業界全体の取引量と流動性の大幅な縮小、主要な法域における規制要件の継続的な高まり、そして合理的な範囲を超えたコンプライアンスコストと事業運営上の不確実性
そのうえで、「出金サービスは本日から2026年12月22日まで引き続き利用できる」「CoinExは100%を超える資産準備率を維持しており、利用者の資産はすべて裏付けがあり出金可能である」と説明しています。準備率については同社がProof of Reservesのページを案内しています。なお、これは同社自身の説明であり、この記事で第三者が検証した結果を確認したわけではありません。
CoinExは2017年12月22日にサービスを開始しており、告知の最後では、開始からちょうど9年にあたる日に閉鎖すると書かれています。
CoinExの出金はいつまでできる? 期限は2つある
告知に書かれている日程は次のとおりです。
| 日付 | 止まるもの |
|---|---|
| 2026年9月15日 | 新規の利用登録/紹介報酬の配布/先物はReduce-Only(建玉を減らす方向のみ)モードへ/法定通貨・信用取引・ローン・Earn・ステーキング・戦略取引の新規申込と注文 |
| 2026年9月22日 | 現物以外のサービスがすべて停止/オンチェーンの入金停止(CETの入金のみ9月29日まで) |
| 2026年9月29日 | 現物取引がすべて停止/非USDT資産の処理を開始/口座に残るCETを自動買戻し/CoinEx Smart Chain(CSC)とOneSwapの運営終了 |
| 2026年12月22日 | 出金の受付が終了し、プラットフォームが閉鎖 |
期限として効いてくるのは、下の2つです。原文ではどちらもUTC(協定世界時)の02:00と書かれています。日本時間は単純にUTC+9で換算した時刻です。
- UTC 2026年9月29日 02:00(日本時間では同日11:00) — 資産を原資産のままの形で出金する場合は、この時刻より前に手続きを完了しておく必要がある、と告知に書かれています
- UTC 2026年12月22日 02:00(日本時間では同日11:00) — 出金サービスそのものが終了します
同社は、出金は他のサービスの終了の影響を受けずに提供が続くとしたうえで、「ブロックチェーンのネットワークによっては混雑や手数料の変動、確認時間の長期化が起こりうるため、出金の予定を立て、期限の直前に集中して出金しようとすることは避けてほしい」と案内しています。
9月29日を過ぎると、持っている銘柄はどうなる?
UTC 2026年9月29日 02:00 から、口座にあるUSDT以外の資産は、次の2通りで処理されると告知に書かれています。
外部の市場に流動性がある資産 CoinExが外部の取引市場で売却し、実際の売却の手取額に基づいてUSDTに換え、利用者の現物口座へ戻します。処理は出金期間中に複数回に分けて行われ、1回ごとの個別の告知は出さないとされています。
外部の市場に流動性がない資産 段階的に上場廃止し、該当するウォレットの維持をやめます。告知は、そうした資産を保有している場合はそれまでにオンチェーンのウォレットへ出金するよう案内したうえで、それ以降は当該資産の保管や償還について責任を負わないと明記しています。
つまり、9月29日は「売られるかどうか」ではなく「自分が持っている銘柄のまま引き出せるかどうか」の分かれ目です。売却後の結果は口座残高と取引履歴で確認できると告知に書かれています。
12月22日までに出金しなかったらどうなる?
出金の受付が終わったあと、引き出されずに残っていたUSDTは独立したカストディ(保管先)へ移管されると書かれています。
告知が挙げている根拠は、CoinExの利用規約5.3の「口座関係の終了後、利用者は90日以内に資産を出金する」という条項です。CoinExはこの条項を挙げたうえで、その90日を2026年12月22日までと説明し、期限までに出金されなかった資産には保管手数料がかかるとしています。
保管手数料は、出金期間の終了時点における元の資産残高の5%を、毎月徴収します。
請求の窓口として同社が案内しているのは、公式メールアドレス(support@coinex.com)です。請求の手続きは後日あらためて公表するとされ、本人確認のやり直しなどの審査を求められる場合があるとしています。
保管資産の請求期限は2028年8月22日です。その日までに請求されなかった資産は、適用される法令と手続きに従って処分されると書かれています。
CET(CoinExの独自トークン)はどうなる?
CoinExは、独自トークンCET(CoinEx Token)について、数量の上限も追加の条件もなく全量を買い戻すとしています。
| 期間 | 扱い |
|---|---|
| 2026年9月15日〜9月29日 | CET/USDTの取引ペアに 0.005 USDT/CET で買い注文を出し続ける。この間、当該ペアの取引手数料は無料 |
| 2026年9月29日以降 | 買戻しの受付期間が終了。口座に残っているCETは同じ価格で自動的に買い戻され、USDTが現物口座に入る(利用者の操作は不要) |
0.005 USDTは、CoinExが今回の買戻し価格として示した金額です。9月29日から、口座に残っているCETは同じ価格で自動的に買い戻されます。この自動処理をもって買戻しの窓口は終了し、以後の買戻し・償還は提供されないと告知に書かれています。
また、CoinEx Smart Chain(CSC)とOneSwapは9月29日に運営を終了します。クロスチェーンブリッジの償還の受付も、CSCの停止と同時に終わります。オンチェーンでCETを保有している場合について同社は、オンチェーンの処理と入金の確認に時間がかかる点を挙げ、期限に間に合うよう入金を済ませることを案内しています。
自分に関係があるかは、どこを見れば分かるか
告知の記載から、対象が分かれるのは次の点です。
- CoinExの取引所に口座があり、残高が残っているか — 出金期限は全利用者に共通で、UTC 12月22日02:00(日本時間では同日11:00)です
- 残高がUSDT以外の銘柄か — UTC 9月29日02:00(日本時間では同日11:00)を過ぎると、外部市場に流動性がある銘柄はUSDTに換えられます。原資産のまま引き出すには、その前に出金を終えている必要があります
- 外部市場に流動性のない銘柄を持っているか — この区分に入る銘柄は売却されず、上場廃止とウォレットの維持停止の対象になります。どの銘柄がどちらに当たるかは、告知に一覧が載っていません
- CoinExの口座内にCETが残っているか — 口座に残っている分は、操作をしなくても0.005 USDTで自動的に買い戻されます。オンチェーンで保有しているCETについては、同社は9月29日までに入金を済ませるよう案内しています
- CoinEx Wallet・CoinEx Vaultを使っているか — この2つは取引所プラットフォームとは独立した事業で、今回の終了の対象外です。閉鎖後も従来の規約に沿って提供が続くと告知に明記されています
先物・信用取引・ローン・Earn・ステーキングなど現物以外のサービスは、9月22日にすべて止まります。未返済のローンについては既存の清算ルールに従って担保資産が処理され、返済に充てた残りが利用者の口座に入ると書かれています。固定型のセービングは実際の預入期間に応じて、デュアル投資は実際の決済時期と商品ルールに応じて、それぞれ利回りが計算されます。
CoinExは日本でどう扱われているのか
金融庁は、暗号資産に関する2つの一覧を暗号資産関係のページで公表しています。2026年9月16日時点で、CoinExはそのどちらにも記載がありません。
- 暗号資産交換業者登録一覧(Excel) — 登録を受けた事業者の一覧。CoinExの記載なし
- 無登録で暗号資産交換業を行う者の名称等についての海外所在業者の一覧 — 警告書が発出された時点で無登録の営業が確認された業者の一覧。CoinExの記載なし
警告一覧に載っていないことは「適法である」という意味ではありません。金融庁自身も「掲載されていない者であっても、無登録交換業に該当する行為を行っていることがあり得ます」と注記しています。
警告一覧に現在載っている主な取引所は、Binance、Bybit、Bitget、MEXC、KuCoin、LBANK、BitForex、bitcastle、IZAKA-YA などです。IZAKA-YAを運営するとされるIzakaya Limitedは、掲載時期が令和8年9月と記載されています(当サイトの記事で扱っています)。
登録一覧のページで金融庁は、暗号資産交換業者には金融庁・財務局への登録が必要であり、利用する際は登録を受けた事業者かどうかを同庁・財務局のホームページで確認できる、と注意を書いています。
今回の告知に書かれている準備率や返還の手順は、CoinEx自身が説明しているものです。
この件が示していること
CoinExの告知でまず効いてくるのは、期限が1つではないことです。原資産のまま引き出せるのはUTC 9月29日02:00まで、出金の受付そのものが終わるのはUTC 12月22日02:00で、その後は未出金のUSDTに毎月の保管手数料がかかり、請求は2028年8月22日までとされています。つまり、告知を読んだ時点から扱いが3回変わる設計です。
告知を最後まで読むと、「いつまでに何をするか」の答えが1か所に書かれていないことも分かります。原資産のまま出す期限(9月29日)、出金受付の期限(12月22日)、保管手数料の条件、請求期限(2028年8月22日)が、それぞれ別の節に置かれています。
なお、海外取引所の終了・閉鎖については、当サイトの関連記事を記事末の「あわせて読みたい」にまとめています。
同種の状況で確認項目になるのは、次の点です。
- 期限が1つなのか、複数あるのか(CoinExは2つ)
- 原資産のまま出せる期限と、出金受付そのものの期限が別かどうか
- 期限を過ぎた資産に手数料がかかるか、請求できる期間がいつまでか
- 取引所本体とウォレットなど別サービスで、対象範囲が分かれていないか
「CoinExからの新しいお知らせ」は出ない、と告知に書かれている
この告知には、閉鎖に便乗した詐欺についての記載があります。
本告知は、CoinExが発出する最終の告知です。すべての取り決めは本告知に従うものとし、これ以降、追加の告知は発出されません。CoinExの名をかたって現れる「新しい告知」「補足規則」「ポリシー変更」は、いずれも詐欺です。
あわせて、CoinExが秘密鍵・パスワード・認証コードを求めることは決してなく、「凍結解除」「補償」「エアドロップ」を理由に特定のアドレスへ資産を送るよう求めることもない、と明記されています。今後の出金に関する連絡は、メール・サイト内メッセージ・認証済みの公式SNSアカウントのみで送られるとしています。公式サイトは www.coinex.com のみで、情報の真偽を確かめる窓口として公式認証チャネルが案内されています。
CoinExは、この告知のなかで、今回の終了に便乗したなりすましへの注意を利用者に呼びかけています。
告知に書かれていないこと
- 銘柄ごとの区分 — 「外部市場に流動性がある資産」と「ない資産」のどちらに当たるかの一覧はありません
- 日本の居住者に固有の取り扱い — 日本向けの個別の案内は、この告知には含まれていません
- 売却の執行価格やタイミング — 「実際の売却の手取額に基づく」とあるだけで、いつ・どの価格で売られるかの記載はありません
- 保管手数料の上限 — 出金期間の終了時点の残高の5%を毎月、という条件だけが書かれており、上限や停止条件の記載はありません
- 税務上の扱い — 売却されてUSDTに換えられた場合の日本の税務上の扱いについて、当然ながらこの告知には記載がありません
現時点で未確定の事項
- 告知ページの掲載日は2026年9月14日と表示される一方、本文の起点は2026年9月15日とされています。両者の差の理由は明示されていません
- 請求の具体的な手続き(12月22日以降)は「後日公表する」とされており、この記事の時点では公表されていません
- 移管先となる「独立したカストディ」の名称は告知に書かれていません
- CoinEx Wallet・CoinEx Vaultについては継続と書かれていますが、将来の方針の変更については記載がありません
この記事のまとめ
- CoinExは取引所としての運営を終了し、2026年12月22日に閉鎖します。出金の受付はUTC 12月22日02:00(日本時間では同日11:00)までです
- 保有銘柄を原資産のまま引き出せるのはUTC 9月29日02:00までです。それ以降、USDT以外の資産は、外部市場に流動性があるものは実際の売却の手取額に基づいてUSDTに換えられ、流動性がないものは段階的な上場廃止とウォレットの維持停止の対象になります
- 期限までに出金されなかったUSDTは独立した保管先へ移され、出金期間終了時点の残高の5%が毎月、保管手数料として徴収されます。請求の期限は2028年8月22日です
- CETは0.005 USDT/CETで買い戻され、9月29日以降はCoinExの口座に残っている分が自動的に処理されます
- CoinExは、金融庁の暗号資産交換業者登録一覧にも、無登録業者の警告一覧にも記載がありません
- 同社は「本告知が最終の告知であり、以降にCoinExの名で現れる新しい告知は詐欺である」と明記しています
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確認日: 2026年9月16日。本記事はCoinExおよび金融庁の公表資料の記載を整理したものです。暗号資産の取引には価格変動をはじめとする各種のリスクがあり、損失が生じる可能性があります。
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