海外の暗号資産取引所「Bitget(ビットゲット)」が、日本に住んでいる人向けのサービスをやめると発表しました。発表は2026年8月3日で、その日から日本居住者の新規登録は受け付けていません。
まず、自分が対象かどうかです。FAQ には、2026年9月17日以降に Bitget から通知を受け取った利用者だけが、暫定的に日本居住者とみなされると記載されています。そのころに通知を受け取っていない場合は、既定では日本居住者として扱われないとされています。
対象になった場合、期限は2つあります。日本時間の11月1日 午前11時から、その口座は「決済専用(Close-Only)モード」になります。FAQ の記載では、制限付きの入金と資産の出金を除いてどの商品も利用できなくなり、新しく持ち高を作ることもできません。そして日本時間の12月31日 午前11時に、全商品にわたって残っている持ち高が強制決済され、あわせてカードサービスが停止されます。
暗号資産の出金機能は、その後も継続して利用できると記載されています。ただし強制決済がどの価格で行われるかは公表されていないため、決済によって残高がどう変わるかまでは公表資料から分かりません。
海外の暗号資産取引所 Bitget が、日本居住者に向けたサービスを段階的に終了すると公表しました。2026年8月3日付の「重要なお知らせ:日本居住者の皆様への重要なご案内」および「FAQ – 日本居住者の皆様への重要なお知らせ」に基づき、公表されている日程と対象範囲を整理します。
公表資料の整理であり、特定のサービスの利用・不利用や、資産の移動を推奨するものではありません。
公表されている日程
Bitget の告知と FAQ に記載されている日付は次のとおりです。時刻はいずれも日本時間(GMT+9)で表記されています。
| 時点 | 内容 |
|---|---|
| 2026年8月3日 | 告知の公表。同日以降、日本居住者の新規登録は受け付けない |
| 2026年9月17日 | FAQ の記載では、この日以降に Bitget から通知を受け取った利用者が、暫定的に日本居住者とみなされる。そのころに通知を受け取っていない場合は、既定では日本居住者として扱われない |
| 2026年11月1日 (告知に時刻の記載なし) | この日までに所定の確認手続き(告知でいう「上記の確認手続き」。通知を受け取った利用者に案内されているレベル2本人確認については後述)が完了していない場合、その口座は日本居住者に属するものとして自動的に判定される |
| 2026年11月1日 11:00 | 日本居住者とみなされる口座に、決済専用(Close-Only)モードが適用される。制限付きの入金と資産の出金を除き、いずれの商品も利用できなくなる |
| 2026年12月31日 11:00 | 日本居住者とみなされる口座について、全商品にわたって残存するポジションが強制決済される。あわせてカードサービスが停止される |
告知には「日本居住者の新規登録は、2026年8月3日以降、受け付けられません。」と記載されています。
なお、自動判定の期限について告知は「2026年11月1日までに」とだけ記しており、時刻は書かれていません。11:00という時刻が明示されているのは、決済専用モードの適用開始と、後述するレベル2本人確認の推奨期限です。
「決済専用モード」で何ができなくなるのか
決済専用(Close-Only)モードは、すでに持っているポジションを閉じる方向の操作だけができる状態を指します。新しくポジションを建てることや、既存のポジションを積み増すことはできなくなります。売りのポジションを買い戻して閉じる操作は、ポジションを減らす方向の操作にあたります。
FAQ の記載では、この状態になると制限付きの入金と資産の出金を除いて、いずれの商品も利用できなくなるとされています。取引の画面だけが制限されるのではなく、下に挙げるサービス全体が対象という書き方です。
FAQ では、制限の対象となるサービスとして、現物取引、先物取引、P2P取引、Convert、Earn(資産運用)、カードサービス、コピートレード、取引ボットが挙げられています。
このうちカードサービスについては、2026年12月31日に停止すると個別に明記されています。
それ以外の商品について、11月1日と12月31日の各時点で画面や処理がどうなるかは、公表資料に個別の記載がありません。P2P取引、Convert、Earn のように、「ポジションを閉じる」という言い方では説明しきれないサービスも含まれています。閉じたあとの資産をどの形で保有できるか、どの範囲の操作が残るかについても、告知には記載されていません。
12月31日以降の扱い
Bitget は、2026年12月31日 11:00(GMT+9)に、日本居住者とみなされる口座について、全商品にわたって残存するポジションが強制決済され、あわせてカードサービスが停止されると記載しています。強制決済は、利用者の操作を待たずに取引所側がポジションを閉じる処理です。どの価格で決済されるかについて、公表資料に記載はありません。決済によって損益が確定するため、口座の残高がこの処理の前後で変わる可能性があります。
なお FAQ の中には、強制決済について「強制決済される」と書かれている箇所と「強制決済される可能性がある」と書かれている箇所の両方があります。本記事はより強い前者の表現に沿って整理していますが、表記が一致していない点は付記しておきます。
出金については、Bitget は FAQ の中で、暗号資産の出金機能は継続して利用できると説明しています(原文「Crypto Withdrawals function will remain available continuously」)。出金先として挙げられているのは、自分で管理するウォレット、または別の取引所の口座です。資金は出金されるまで口座内で保管されるとも記載されています。
一方で、日本円などの法定通貨の出金や銀行口座への引き出しが同様に継続するかどうかは、FAQ の記載からは確認できません。継続が明記されているのは暗号資産の出金です。
「日本居住者」と判定される仕組み
まず、判定の入口になるのが通知です。FAQ には、2026年9月17日以降に Bitget から通知を受け取った利用者だけが、暫定的に日本居住者とみなされると記載されています(原文「Only users who have received our notification on or after September 17, 2026 will be preliminarily deemed to be residents of Japan.」)。そのころに通知を受け取っていない場合は、既定では日本居住者として扱われないとされています(原文「If you have not received such notification around that time, you will not be treated as a resident of Japan by default.」)。
そのうえで告知には、「2026年11月1日までに上記の確認手続きが完了していない場合、お客様のアカウントは日本居住者に属するものとして自動的に判定されますのでご注意ください」と記載されています。
FAQ では、通知を受け取ったものの日本居住者ではないという利用者について、住所を証明する書類を用いたレベル2本人確認(KYC)を、2026年11月1日 11:00(GMT+9)までに完了することを推奨するとしています。住所証明として挙げられているのは銀行取引明細書、公共料金請求書、税務証明書などで、氏名が本人確認書類と一致していることが条件とされています。期限より後の完了も可能とされていますが、制限が適用された後の解除手続きの詳細は記載されていません。
あわせて FAQ では、通知を受け取った利用者のうち、居住国の記録が誤っている・不正確であると考える場合について、レベル2本人確認の完了と、カスタマーサポートへの連絡の2つが並記されています(原文「please complete Level 2 Identity Verification (Proof of Address / KYC2) via here or contact customer support as soon as possible」)。記載されている経路は本人確認だけではありません。
公表文から読み取れるのは、通知を受け取った利用者について、期限までに確認手続きが完了していなければ日本居住者として自動判定されるという点までです。Bitget がどのような情報をもとに通知の送付先を決めるのかは、公表されていません。
関連する公表事実:金融庁の無登録業者一覧
Bitget が終了の理由として記載しているのは「日本の規制を遵守するための当社の継続的な取り組みの一環」という説明のみです。これ以上の動機は公表されていません。以下は、その理由とは別に確認できる公表事実の整理です。
金融庁は「無登録で暗号資産交換業を行う者の名称等について」という一覧を公表しており、そこに Bitget Limited が掲載されています。掲載時期は令和5年3月(2023年3月)と令和6年11月(2024年11月)の2件で、それぞれ令和5年3月31日付の警告書資料と令和6年11月28日付の警告書資料が公表されています。
日本で暗号資産交換業を行うには、資金決済に関する法律に基づく登録が必要です。この一覧は、警告書の発出時点で無登録営業が確認された事業者をまとめたものです。
一覧を見るときの前提
一覧には金融庁による留意事項が付されています。要点は次の2つです。
- 掲載されている無登録業者は、警告書の発出を行った時点で同法第63条の2に違反していることが確認できた者であり、掲載されていない者であっても無登録交換業に該当する行為を行っていることがあり得るとされています
- 掲載内容は必ずしも現在の無登録営業の状況を示すものではなく、名称および所在地等についても現時点のものでない場合があるとされています
つまりこの一覧は、「名前がない=適法に営業している」とも、「名前がある=現在も無登録営業を続けている」とも読めない性質のものです。金融庁は同じ留意事項の中で、暗号資産交換業者の利用にあたっては登録を受けた事業者かどうかを確認するよう案内しています。
同じ一覧に記載されている事業者
令和6年11月の掲載分には、Bitget Limited のほか、KuCoin、bitcastle LLC、Bybit Fintech Limited、MEXC Global が記載されています。いずれも「インターネットを通じて、日本居住者を相手方として、暗号資産交換業を行っていたもの」と記載されています。
これは警告書の発出時点で同じ内容が記載されたという事実であり、前述のとおり各社の現在の状況を示すものではありません。この一覧から確認できるのは警告書発出時点の事実までで、各社の今後の対応を示すものではありません。
現時点で未確定の事項
- 暗号資産の出金機能が2026年12月31日以降いつまで継続されるか(期限は公表されていません)
- 法定通貨の出金や銀行口座への引き出しが同様に継続するかどうか(FAQ に記載がありません)
- 強制決済がどの価格で行われるか(公表資料に記載がありません)
- FAQ 内で「強制決済される」と「強制決済される可能性がある」の表現が一致していない点
- Bitget がどのような情報をもとに、9月17日以降の通知の送付先を決めるのか(公表されていません)
- カードサービス以外の各サービス(現物取引・先物取引・P2P取引・Convert・Earn・コピートレード・取引ボット)が、11月1日と12月31日のそれぞれの時点で画面や処理としてどう扱われるか(個別の記載がありません)
- レベル2本人確認を2026年11月1日より後に完了した場合に、適用済みの制限がどのように扱われるか
この記事のまとめ
- Bitgetは2026年8月3日、日本居住者向けサービスの段階的終了を公表し、同日から日本居住者の新規登録を受け付けていません
- 対象と判定された口座は2026年11月1日午前11時から「決済専用(Close-Only)モード」となり、12月31日午前11時に全商品のポジションが強制決済され、カードサービスも停止されると記載されています
- FAQでは2026年9月17日以降にBitgetから通知を受け取った利用者だけが暫定的に日本居住者とみなされ、通知が無ければ既定では対象外とされています
- 暗号資産の出金機能は継続して利用できると説明されていますが、強制決済がどの価格で行われるかは公表資料に記載がありません
- 金融庁の無登録業者一覧にはBitget Limitedが2023年3月と2024年11月の2回掲載されていますが、Bitgetが今回の終了理由として挙げているのは「日本の規制を遵守するための継続的な取り組み」という説明のみです
この記事に出てくる言葉
- ポジション
- 先物取引などで、買った、または売った状態のまま、まだ閉じていない取引のこと。「ポジションを閉じる」は、買っていたものを売る(売っていたものを買い戻す)ことで、その取引を終わらせることを指します。今回の FAQ は「全商品にわたる残存ポジション」という書き方をしていますが、現物取引や Earn などで何がその対象になるかは個別に説明されていません。
- 現物取引
- 暗号資産そのものを、その時点で成立した価格で売り買いする取引。担保となる資金(証拠金)を預けて、手元の資金より大きな金額を売買する取引とは区別されます。
- 決済専用(Close-Only)モード
- 新しくポジションを建てることや、既存のポジションを増やすことができない状態。保有しているポジションを減らす、または閉じる操作は可能です。売りのポジションを買い戻して閉じる操作も、減らす方向にあたるため含まれます。
- 出金
- 取引所の口座から、外部のウォレットや別の口座へ資産を移すこと。銀行口座への現金の引き出しだけを指すとは限らず、対象となる資産や方法は取引所の仕様によって異なります。
- 強制決済
- 利用者の操作を待たず、取引所側がポジションを自動的に閉じる処理のこと。
- 先物取引
- 暗号資産そのものを受け渡す代わりに、価格の変動による損益をやり取りする取引。期限が決まっているものと、満期日が設定されていないもの(無期限先物)があります。無期限先物は満期日が無いという意味であって、いつまでも保有できるという意味ではありません。担保として預けた資金(証拠金)が不足すると強制決済されることがあり、保有している間、買い手と売り手のあいだで定期的にやり取りされる費用(資金調達料)が発生する場合もあります。手元の資金より大きな金額を動かす仕組み(レバレッジ)と組み合わせて使われることが多く、その場合は利益も損失も増幅されます。
- P2P取引
- 取引所が提供する場を介して、利用者どうしが直接、暗号資産と現金をやり取りする取引方式。
- Convert
- ある暗号資産を別の暗号資産に、板(売り注文と買い注文の一覧)を使わずその場の提示レートで交換する機能。取引所によって呼び名が異なります。
- Earn
- 暗号資産を預け入れるなどして、利息や報酬の獲得を目的とする複数のサービスの総称。預ける期間、条件、受け取れる量、元本の扱いは商品ごとに異なります。
- カードサービス
- 取引所の口座にある資産を、決済カードを通じて支払いに使える仕組み。
- コピートレード
- 他の利用者の取引を、自分の設定や資金量に応じて自分の口座で自動的に追随する仕組み。数量・価格・結果が完全に同じになるとは限りません。
- 取引ボット
- あらかじめ決めた条件に従って、自動で売買を繰り返すプログラム。取引所が機能として提供している場合があります。
- KYC(本人確認)
- 口座の利用者が誰かを、書類などで確認する手続き。法令や各社の規約・リスク管理方針に基づいて行われます。求められる書類は事業者や段階ごとに異なり、今回 Bitget が案内している「レベル2」では住所を証明する書類が対象とされています。
出典
- Bitget「重要なお知らせ:日本居住者の皆様への重要なご案内」2026年8月3日
- Bitget「FAQ – 日本居住者の皆様への重要なお知らせ」
- 金融庁「無登録で暗号資産交換業を行う者の名称等について」
- 金融庁「Bitget Limited に対する警告書資料(令和5年3月31日)」
- 金融庁「Bitget Limited に対する警告書資料(令和6年11月28日)」
確認日:2026年8月9日(FAQ の再確認と記載の見直しは2026年8月11日)
本記事は2026年8月9日時点の公表資料を整理したものであり、投資判断の提供や特定のサービスの利用・不利用の推奨を目的とするものではありません。
※本記事は投資に関する一般的な情報・注意喚起を目的としたものであり、特定の個人・団体・商品を指すものではありません。投資の最終判断はご自身の責任で行ってください。元本保証はなく、損失が生じる可能性があります。
運営: 株式会社シンセイサービス
あわせて読みたい
まずは、投資の基礎を無料で学ぶ
AGITOアプリで、解説記事・用語集・市場情報を確認できます。学習コンテンツと市場情報は無料です。
記事の内容に誤りを見つけた場合は、info@agito-investor.com までお知らせください。確認のうえ訂正します。










コメント