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BitMEXが9月23日に閉鎖、BitMartは2027年1月終了へ|閉鎖後の出金と未出金の手数料【2026年9月更新】

2026 9/26
金融ニュース
2026.08.14 2026.09.26
監修:佐藤 翔(証券会社に約20年勤務)
運営:株式会社シンセイサービス(AGITO編集部)/運営者情報・編集方針

編集部メンバー:なってぃ|AGITO編集部(Xプロフィール)

海外の暗号資産取引所2社が、相次いで事業の終了を公表しています。BitMEX は2026年9月23日に取引所を閉鎖、BitMart は2027年1月31日にプラットフォームの運営を正式に終了する予定と発表しました。どちらの告知も取引所・プラットフォーム全体の終了として公表されており、日本居住者だけに限定する記載はありません。そして両社とも、2026年8月26日が取引制限の節目でした。

【2026年9月23日 追記】BitMEX は予定どおり、2026年9月23日 04:00(UTC・日本時間13:00)に取引所を閉鎖しました。同社サイトのトップは「BitMEX has closed.」に変わり、同日付の告知「BitMEX Exchange Now Closed」で、取引・入金・新規の建玉はできなくなった一方、ログインと出金は引き続きできると公表しています。出金の受付期限は今回も示されていません。9月23日より後に残高が残っている口座には口座手数料がかかるとしています。詳しくは本記事の該当箇所に追記しました。

海外の取引所が2つ、事業の終了を決めました。片方は9月23日に閉鎖し、もう片方は来年1月に終わる予定です。

ただし、「終わる日」より先に「取引が大きく制限される日」が来ました。それが両方とも8月26日でした。この日に起きたことは2社で違います。

  • BitMart はこの日に、現物・先物その他すべての取引サービスを停止しました。
  • BitMEX はこの日に、新しく持ち高を作れない「減らす方向だけ」の状態へ移りました。既存の持ち高を減らす取引は閉鎖まで続けられましたが、この日以降、BitMEX の判断で既存の持ち高が強制的に決済されることがあると告知に明記されています。

8月26日より後に残るのは、引き出しだけではありません。持ち高の決済や、運用商品の精算といった処理も残ります。引き出しは期限のあとも受け付けるとされていますが、期限を過ぎると手数料または別枠の手続きの対象になる可能性があります。

この記事で分かること

  • BitMEX が公表した日程と、8月26日から始まる強制決済の扱い
  • BitMEX の未出金の資産にかかる手数料
  • (9月23日追記)閉鎖後の BitMEX で出金できるか、期限はあるか
  • BitMart が公表した日程と、推奨されている期限
  • 2社の閉鎖理由として公表されている文言
  • 出金となりすましについて両社が公表していること
  • Bitget の日本居住者向け終了とは何が違うのか
  • 金融庁の一覧を確認して分かること・分からないこと
  • 現時点で未確定の事項

公表資料の整理であり、特定の取引所の利用・不利用や、資産の移動を推奨するものではありません。まず BitMEX の日程から見ていきます。

目次

BitMEX が公表した日程

BitMEX は2026年7月23日、「BitMEX Exchange to Sunset on 23 September at 04:00 UTC」を公表しました。運営者は HDR Global Trading Limited です。

告知に記載されている日程は次のとおりです。日本時間(JST)は UTC に9時間を加えたものです。

時点(UTC)日本時間内容
2026年7月23日―告知の公表。新規登録の受付を停止
2026年8月26日 04:00:008月26日 13:00reduce-only モードへ移行。新規にポジションを建てることはできず、既存のポジションを減らす操作だけが可能になる。同時に、BitMEX が既存のポジションを強制決済する処理も始まる
2026年9月23日 04:00:009月23日 13:00取引所の閉鎖

強制決済は「BitMEX の裁量」と記載されている

告知には、上記のとおり BitMEX がポジションを強制決済することがあるのは同社の単独の裁量による(at its sole discretion)と記載されています。あわせて、利用者がポジションを閉じられなかったことによって生じた取引上の損失について、同社は責任を負わないという記載も置かれています。

つまり、9月23日の閉鎖時刻まで自分のタイミングで決済できるとは限らない、という書き方になっています。

未出金の資産には月ごとの手数料がかかる

告知には、本人確認を完了している利用者が閉鎖時刻までに資産を出金しなかった場合について、年率1%の口座手数料が月ごとに課され、残高がUSD50相当以下の口座についてはUSD50相当が課される(全額を出金するまで)と記載されています。

原文は「will be charged an account fee of 1% per annum (charged monthly), or USD 50 equivalent for accounts with no more than this amount, until fully withdrawn, such fee to increase over time (to be communicated in advance) if balances are not withdrawn」です(2026年9月23日に同ページで確認した文言)。閉鎖時刻までに出金しなかったことをもって、この手数料の賦課と、事前に通知されたうえでの手数料の引き上げに同意したものとみなす、という記載も併記されています。

一方で、年率1%を月ごとにどう按分するのか、最初に課される日がいつなのかについては、告知に記載がありません。

(2026年9月23日追記)閉鎖後も出金はできる? 期限は?

2026年9月23日、BitMEX は「[Notice] BitMEX Exchange Now Closed」を公表し、同日 04:00(UTC)に取引所のすべてのサービスを終えたとしています。サイトのトップも「BitMEX has closed.」「Trading ceased on 23 September 2026 at 04:00 UTC.」という表示に切り替わりました。同日付の案内ページ「BitMEX Exchange Now Closed」に書かれているのは次の点です。

  • 取引・入金・新規の建玉はできなくなった(原文「Trading, deposits, and new positions are no longer available」)
  • ログインと出金はできる(原文「Login and withdrawal capabilities remain available」)。引き出せる残高は、最低出金額の条件を満たす範囲で全額出金できるとしています
  • 出金の手順として、ログイン → 求められた場合は本人確認(KYC)を完了 → 出金申請、の3段階が示されています。本人確認が未完了の人向け、および以前は利用が制限されていた国・地域の人向けの案内が別に用意されています
  • 9月23日より後に残高が残っている口座は、随時通知される口座手数料の対象になる(原文「Accounts with balances remaining after 23 September 2026 are subject to account fees as notified from time to time」)
  • 出金の案内と今後の運用上の変更について、アカウントのメール受信箱を確認するよう案内しています

出金の受付をいつまで続けるかは、閉鎖当日の告知にも書かれていません。口座手数料について、閉鎖当日のページには金額と適用時期が書かれていません。7月23日の告知は「年率1%を月ごとに、残高がUSD50相当以下の口座にはUSD50相当」を課すとしたうえで、この手数料を将来引き上げる(事前に通知する)としていましたが、引き上げ後の金額や時期は公表資料からは確認できません。

あわせて、今回確認した BitMEX の各ページの上部には、「BitMEX が秘密鍵やリカバリーフレーズ、資金の分配に関する支払いを求めることはない」「資金の回収を手伝うと名乗る連絡には応じない(do not engage)」という同社の注意書きが置かれています。BitMart についても、本記事で扱った告知に同種の注意事項があります(後述)。

閉鎖の理由として公表されている文言

告知に書かれている理由は、「事業とより広い暗号資産業界に関する戦略的レビューを経て、HDR Global Trading Limited の取締役会が取引所を閉じることを決定した」という趣旨の一文だけです。

規制上の措置や資金繰りを理由として挙げた記載はありません。これ以外の動機は公表されていないため、本記事でも推測は行いません。

BitMart が公表した日程

BitMart は2026年7月26日01:40付(ページ上の表記は「Published on 2026-07-26 01:40」で、タイムゾーンの明示はありません)で「Important Notice Regarding the Orderly Cessation of BitMart Operations」を公表しました。

時点(UTC)日本時間内容
2026年7月26日 01:307月26日 10:30新規登録の受付停止/入金サービスの停止/先物口座は Reduce-Only へ/現物取引は新規注文の受付停止/コピートレード・グリッド・API等の自動売買を順次停止。以上を段階的に実施
2026年8月26日 01:008月26日 10:00現物・先物その他すべての取引サービスを停止
2026年8月26日 05:008月26日 14:00出金申請の提出について推奨されている期限
2027年1月31日 15:592027年2月1日 00:59プラットフォーム運営を正式に終了する予定(原文は plans to officially cease)

未約定の注文は利用者が取り消すか、取り消さなければシステム側で取り消される、と記載されています。

「推奨」であって出金の締切ではない

BitMart の告知は、出金サービスは告知後も引き続き利用できるとしたうえで、2026年8月26日 01:00(UTC)までに本人確認の完了と建玉の解消を、同日05:00(UTC)までに出金申請の提出を強く推奨するという書き方をしています。

推奨された期間内に出金を完了しなかった利用者については、「関連する申請は専用の処理手続きに移される」と記載されています。その手続きの具体的な内容と必要書類は、別途の告知または個別の通知で案内するとされており、現時点では公表されていません。

なお、期限内の通常の出金についても即時に送金されるとは限らず、混雑などによって遅延しうること、および追加の審査が行われうることが告知に記載されています。審査項目として挙げられているのは、本人情報、利用端末とIPアドレス、出金先、資金の出どころ、取引履歴、制裁対象の確認とトラベルルールに関する確認、追加書類の提出などです。未公表なのは「期限を過ぎた場合の専用手続き」の中身であって、通常の審査項目は公表されている、という整理になります。

プラットフォームの運営終了後も、一定期間はログインして口座情報や履歴の確認、所定の手続きに沿った出金申請ができるとも記載されています。

残っている先物のポジションの扱い

2026年8月26日 01:00(UTC)の時点で決済されずに残っている先物のポジションは、その時点で有効なマーク価格、指数価格、または決済ルールに基づいてプラットフォーム側が決済することがある、と記載されています。詳細な決済の取り決めは別途告知するとされています。

停止の理由として公表されている文言

告知には、「当社の運営状況、市場環境、および今後の戦略的方向性を慎重に評価した結果、取引プラットフォームの運営を秩序立てて縮小・終了するという難しい決定を下した」という趣旨が記載されています。BitMEX と同様、これ以外の理由は公表されていません。

出金となりすましについて、両社が公表していること

なりすまし詐欺への注意喚起は、2社とも告知の中に置いています。

BitMart は、縮小・終了の期間中はスタッフを装った詐欺のリスクが高まりうるとして、次の点を挙げています。

  • Telegram、WhatsApp、WeChat、私的なSNSアカウントを通じて「優先処理手数料」「口座凍結解除料」「保証金」の支払いを求めることはない
  • 有料の優先出金サービスや優先処理の窓口は存在しない
  • スタッフが口座のパスワード、SMS認証コード、認証アプリのコード、秘密鍵やリカバリーフレーズを尋ねることはない

BitMEX も、この閉鎖の知らせを利用したフィッシングに警戒するよう記載し、出金を早める有料サービスは存在しないとしています(原文「no such expedited service is available」)。あわせて、ブロックの承認に時間がかかることがある(1時間程度は珍しくない)ため、出金の反映が遅れる場合があるとも記載しています。

Bitget の日本居住者向け終了とは性質が異なる

2026年8月には、Bitget が「重要なお知らせ:日本居住者の皆様への重要なご案内」「FAQ」で、日本居住者向けサービスの段階的な終了を公表しています。同じ「海外取引所が使えなくなる」話として並べられがちですが、公表資料の上では性質が異なります。

対象終わるもの
Bitget日本居住者と判定された口座日本居住者向けのサービス提供(取引所自体は継続)
BitMEX全利用者取引所そのもの
BitMart全利用者取引プラットフォームそのもの

BitMEX と BitMart の告知は、取引所・プラットフォーム全体の終了として公表されており、日本居住者だけに限定する記載は見当たりません。

金融庁の一覧を確認して分かること・分からないこと

2026年8月10日時点で、金融庁が公表している2つの一覧を確認しました。

暗号資産交換業者登録一覧(令和8年6月30日現在)に、BitMEX、BitMart、HDR Global Trading Limited の記載はありません。日本で暗号資産交換業を行うには資金決済に関する法律に基づく登録が必要で、この一覧は登録を受けた事業者をまとめたものです。

無登録で暗号資産交換業を行う者の名称等について(海外分)にも、3者の記載はありません。この一覧に掲載されている海外の事業者としては、KuCoin、bitcastle LLC、Bybit Fintech Limited、MEXC Global、Bitget Limited、LBank Exchange、Bitforex Limited、Binance Holdings Limited などが確認できます。

この2つの一覧の読み方

金融庁は無登録業者一覧に留意事項を付しています。要点は次の2つです。

  • 掲載されている無登録業者は、警告書の発出を行った時点で資金決済に関する法律第63条の2に違反していることが確認できた者であり、掲載されていない者であっても無登録交換業に該当する行為を行っていることがあり得る
  • 掲載内容は必ずしも現在の無登録営業の状況を示すものではなく、名称および所在地等も現時点のものでない場合がある

したがって、無登録業者一覧に名前がないことは、その事業者が適法に営業していることを意味しません。今回確認できたのは、登録業者の一覧にも、警告書が発出された事業者の一覧にも、確認した名称の記載がないという事実までです。BitMart については本記事で運営法人名を特定していないため、一覧にブランド名が見当たらないことをもって登録の有無を確定することもできません。

ここから言えるのは、これらの取引所について、日本の登録業者として利用者財産の分別管理などの態勢が整っているかを金融庁が確認・監督しているとは確認できない、という範囲までです。金融庁も無登録業者に関する注意喚起の中で、登録業者と同等の利用者保護の態勢が整っているかを当局が確認できない旨を説明しています。

現時点で未確定の事項

  • BitMart の「専用の処理手続き」の具体的な内容と必要書類(別途告知とされ、公表されていません)
  • BitMart の残存する先物ポジションについて、詳細な決済の取り決め(別途告知とされています)
  • BitMEX の閉鎖後、出金の受付がいつまで継続されるか(告知に期限の記載はありません。2026年9月23日の閉鎖当日の告知にも期限は書かれていません)
  • (2026年9月23日追記)閉鎖後の口座手数料の金額と適用時期。閉鎖当日のページは「随時通知される口座手数料」とだけ書いており、7月23日の告知が予告していた引き上げ後の金額や時期は公表資料からは確認できません
  • BitMart のプラットフォーム運営終了後、ログインと出金申請が可能な「一定期間」の長さ(公表されていません)
  • BitMEX が8月26日以降、どのような基準・順序で既存ポジションを強制決済するか(「単独の裁量による」とのみ記載されています)
  • BitMEX の口座手数料について、年率1%を月ごとにどう按分するか、最初に課される日はいつか(告知に記載がありません)
  • 両社の閉鎖が、他の海外取引所の日本居住者向けサービスに影響するかどうか(公表資料からは判断できません)

この記事のまとめ

  • 海外取引所のBitMEXは2026年9月23日に取引所を閉鎖、BitMartは2027年1月31日にプラットフォーム運営を終了する予定と、それぞれ公表しています
  • 両社とも2026年8月26日に取引制限が始まりましたが内容は異なり、BitMartはこの日に全取引サービスを停止、BitMEXはこの日から新規ポジションを建てられない「reduce-only」モードへ移行し、既存ポジションの強制決済もBitMEXの裁量で始まると記載されています
  • BitMEXは閉鎖時刻までに出金しなかった資産について、年率1%の口座手数料を月ごとに、残高がUSD50相当以下の口座にはUSD50相当を課し、将来引き上げる(事前に通知)としています
  • (2026年9月23日追記)BitMEXは9月23日 04:00(UTC・日本時間13:00)に閉鎖。取引・入金・新規建玉は終了、ログインと出金は引き続き可能で、出金の受付期限は示されていない。9月23日より後に残高が残る口座は口座手数料の対象
  • 金融庁の暗号資産交換業者登録一覧・無登録業者一覧のいずれにも、BitMEX・BitMart・HDR Global Trading Limitedの記載はありません
  • BitMartの「専用の処理手続き」の内容や、BitMEXの強制決済の基準・順序など、複数の項目について現時点で公表されていないと記事内で整理されています

この記事に出てくる言葉

ポジション
買った、または売った状態のまま、まだ決済していない取引のこと。「ポジションを閉じる」は、買っていたものを売る(売っていたものを買い戻す)ことで、その取引を終わらせることを指します。
reduce-only(決済専用)モード
すでに持っているポジションを減らす・閉じる方向の操作だけができる状態。新しくポジションを建てることや、持ち高を増やすことはできなくなります。
マーク価格
先物の損益や強制決済の判定に使うために、取引所が算出している基準の価格。その取引所での約定価格そのものではなく、複数の市場の価格などをもとに計算されます。一時的な価格の跳ねで不必要な決済が起きないようにするための仕組みです。
強制決済
利用者の操作を待たず、取引所側がポジションを閉じる処理のこと。
コピートレード
他の利用者の売買と同じ内容の取引を、自分の口座で自動的に行う仕組み。
現物取引
暗号資産そのものを、その時点で成立した価格で売り買いする取引。証拠金を預けて売買する先物取引とは区別されます。
先物取引
暗号資産そのものを受け渡す代わりに、価格の変動による損益をやり取りする取引。手元の資金より大きな金額を動かす仕組み(レバレッジ)と組み合わせて使われることが多く、その場合は利益も損失も増幅されます。
指数価格
複数の取引所の価格などをもとに算出される、その銘柄の基準価格。マーク価格を計算する材料として使われます。
グリッド取引
あらかじめ決めた値幅ごとに買い注文と売り注文を並べておき、価格が上下するたびに自動で売買を繰り返す仕組み。
API
自分で作ったプログラムや外部のツールから取引所に注文を出したり、価格を取得したりするための接続口。
秘密鍵・リカバリーフレーズ
暗号資産を動かすために必要な秘密の情報。これを知られると資産を移されてしまうため、取引所やサービス提供者が利用者に尋ねることはありません。

情報は2026年8月10日時点で公表されている資料に基づきます(2026年9月23日に BitMEX の閉鎖当日の告知を追記)。本記事は公表資料の整理であり、特定の取引所の利用・不利用や資産の移動を推奨するものではありません。

※本記事は投資に関する一般的な情報・注意喚起を目的としたものであり、特定の個人・団体・商品を指すものではありません。投資の最終判断はご自身の責任で行ってください。元本保証はなく、損失が生じる可能性があります。

運営: 株式会社シンセイサービス

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