11月1日に取引が制限される前に Bitget から資産を出すつもりだった人にとって、BTC・ETH に続いて USDT の出金も、9月30日に再開したと Bitget は告知しています。公表された日程表で残る枠は、そのほかのトークン・法定通貨・P2P(10月2日の予定)です。
海外の暗号資産取引所 Bitget(ビットゲット)は、日本時間9月28日17時にビットコインのネットワークでの BTC の出金を、9月29日17時に ETH の出金を、9月30日17時に USDT の出金を、それぞれ予定どおり再開したと公表しました。CEO は、BTC について28日18時(日本時間)までに9,585件・4,098.036 BTC の出金を処理したと書いています。残りの予定は、そのほかのトークン・法定通貨・P2P が10月2日17時です。29日12時15分から「ウォレットの保守」を理由に止まっていた BSC(BNB Smart Chain)経由の BTC の出金も、30日13時59分に再開したと告知されています。
CEO は9月28日、攻撃の経路も説明しました。第三者の製品の脆弱性を突かれて社内の認証情報が盗まれ、その認証情報で不正な出金の指示が出されたというものです。約3億8,750万ドルの損失は保護基金で全額まかない、基金は1週間以内に3億ドル超まで積み戻すとしていました。9月30日には、基金を3億ドル超まで積み戻したという告知と、外部の調査会社2社(Mandiant・SlowMist)の中間報告が出ています。SlowMist の報告には、残っているログで確認できたいちばん早い不正な動きは8月31日と書かれています。
この記事で分かること
- Bitget の出金はいつ再開するのか(通貨ごとの日時と、再開済みのもの)
- BSC 経由の BTC の出金が、いったん止まって翌日に戻った経緯
- CEO が説明した攻撃の経路と、外部の調査会社2社の中間報告に書かれていること
- 日本居住者の「11月1日・12月31日」の日程と、再開の日程の関係
- 保護基金の規模と、積み戻しの告知
- 2026年に続いている、海外の取引所・事業者のサービス終了と出金の制限の並び
本記事は Bitget の公表資料の記載を整理したものであり、特定の投資判断や金融商品の選択を推奨するものではありません。
Bitgetの出金はいつ再開する?通貨ごとの日程と、いま出金できるもの
Bitget は2026年9月26日 3時55分(UTC)、「Bitget to Resume Withdrawals in Phases」をサポートセンターに掲載しました。再開の日程と、10月1日15時台(日本時間)に確認した状況は次のとおりです。
| 日時(UTC) | 日本時間 | 通貨 | ネットワーク | 10月1日15時台の状況 |
|---|---|---|---|---|
| 9月28日 8:00 | 9月28日 17時 | BTC | Bitcoin | 再開済み |
| 9月29日 8:00 | 9月29日 17時 | ETH | Ethereum/BSC/Arbitrum/Base/Optimism | 再開済み |
| 9月30日 8:00 | 9月30日 17時 | USDT | Ethereum/BSC/Solana/Tron | 再開済み |
| 10月2日 8:00 | 10月2日 17時 | そのほかのトークン/法定通貨/P2P | (記載なし) | 予定(変更の告知なし) |
BTCの出金は9月28日に再開した
Bitget は9月28日 8時34分(UTC)、公式の X で、ビットコインのネットワークでの BTC の出金を、予定どおり8時(UTC)に始めたと投稿しました。サポートセンターにも、「BTC – BITCOIN」と「BTC – Binance Smart Chain」の出金を再開したという告知が出ています。BSC 経由の BTC は、9月26日の日程表には載っていなかった経路です。
CEO のグレイシー・チェン氏は、AMA(質疑応答)のあとの X 投稿で、ビットコインのメインネットと BSC で BTC の出金が動いており、9月28日17時(UTC+8)=日本時間18時までに9,585件、合計4,098.036 BTC を処理したと書いています。ETH・USDT・そのほかは「明日から段階的に」続くとしています。
ETHの出金は9月29日に再開した
Bitget は9月29日 8時(UTC)=日本時間17時、「Bitget announcement on resuming ETH withdrawals」を掲載しました。Ethereum・BSC・Arbitrum One・Base・Optimism の5つのネットワークで ETH の出金を開いたという内容です。ネットワークは、9月26日の日程表の ETH の行と同じ5つです。処理した件数や数量は、この告知には書かれていません。
USDTの出金は9月30日に再開した
Bitget は9月30日 8時(UTC)=日本時間17時、「Bitget announcement on resuming USDT withdrawals」を掲載しました。Ethereum・BSC・Solana・Tron の4つのネットワークで USDT の出金を開いたという内容です。ネットワークは、9月26日の日程表の USDT の行と同じ4つです。処理した件数や数量は、この告知には書かれていません。
BSC経由のBTCの出金は、9月29日に停止し、9月30日に再開した
9月29日には、「Bitget announcement on suspending BTC – Binance Smart Chain network withdrawal service」が出ました。BSC 経由の BTC の出金を、9月29日11時15分(UTC+8)=日本時間12時15分から、「ウォレットの保守」のため停止するという内容です。再開の日時は「別途告知」とされていました。9月30日に取得した一覧の表示範囲(9月28日7時59分 UTC 以降の掲載分)に、ビットコインのネットワークでの BTC の出金を止めるという告知はありません。
翌9月30日 4時59分(UTC)=日本時間13時59分、「Bitget announcement on resuming BTC – Binance Smart Chain withdrawals」が出ました。BSC 経由の BTC の出金を再び開いたという内容です。止まっていたのは約26時間です。
出金の「再開」は、通貨とネットワークの組み合わせごとに告知されていて、再開したあとに停止が告知されることもある、ということです。
9月26日の告知に書かれていること
- 段階的な再開は、特定の利用者を優先せず、すべての利用者に一貫して適用する
- 再開の前に利用者が行う手続きは不要。出金できるようになったかどうかは、Bitget の画面にそのまま反映される
- 出金の停止は最終的なセキュリティ確認のためで、利用者の資産の有無とは関係がない。口座の残高は影響を受けていない
- 入金と取引は引き続き動いている
- CEO が9月28日16時30分(日本時間)にライブの AMA を開く(開催済み。内容は下の「何が起きたのか」で整理しています)
日本時間で見ると、不正送金の検知(9月25日3時31分)から BTC の再開(9月28日17時)までは約3日半、最後の枠(10月2日)までは約7日半です。XRP や USDC などは、表に個別の記載がありません。「そのほかのトークン」に含まれる可能性はありますが、個別の再開日時とネットワークは告知からは確定できません。
この日程は、日本語の「出金サービスに関するお知らせ — 2026年9月24日」が「出金計画は9月26日13:00(UTC+9)までに発表」としていた、その計画にあたります。
何が起きたのか
Bitget は2026年9月24日(UTC)、「[SECURITY NOTICE] Bitget exchange hot wallets Incident — September 24, 2026」をサポートセンターに掲載しました(公表時の題名は「Bitget Hot Wallet Incident」)。公表当初の告知と同じ内容を、CEO のグレイシー・チェン氏が自身の Xに投稿しています(サポートセンターの本文は、その後一部が変わっています。下で説明します)。9月25日には続報「Bitget Security Latest Incident Update: Fund Tracing and Recovery Bounty Program」が、9月28日には CEO による AMA の要約の X 投稿が、9月30日には外部の調査会社2社の報告を公開したという告知「Update On Slowmist and Mandiant Report」と、保護基金の積み戻しの告知が出ました。
これまでの告知と投稿に書かれている内容は次のとおりです。
| 項目 | 告知・投稿の記載 |
|---|---|
| 検知した時刻 | 2026年9月24日 18:31(UTC)=日本時間 9月25日 3時31分 |
| 何が起きたか | 一部のホットウォレットからの、許可されていない送金 |
| 被害の見込み | 当初 約3億5,160万ドル → 9月25日の続報で約3億8,750万ドルに修正。当初の見積もりに入っていなかった Zcash と TRON 上の資産を加えたもので、追加の不正送金ではないと説明 |
| 影響を受けたチェーン・資産 | Ethereum と複数の EVM ネットワーク、XRP Ledger、Zcash、TRON。資産は XRP・ETH・USDT・ZEC・USDC・USDT0・XAUt・BNB・AVAX・TRX |
| 被害の範囲 | 3層のウォレットのうち、ホットウォレットとウォームウォレットの一部。コールドウォレットは安全と説明 |
| 原因(9月28日の CEO の投稿) | 攻撃者が第三者の製品の脆弱性を突いて社内の認証情報を盗み、その認証情報で不正な出金の指示を送り、リスク管理をすり抜けた。秘密鍵は漏れておらず、コールドウォレットも影響を受けていないと説明 |
| 対策(同) | 影響を受けたシステムとサーバーを隔離し、脆弱性を修正。社内の認証情報を無効にして再発行し、重要なシステムへのアクセスの仕組みを組み直した。第三者の事業者に脆弱性を伝え、修正までその機能を使わないようにした。外部のセキュリティ企業 Mandiant と SlowMist が調査と資産の追跡を続けている |
| 外部調査(9月30日に公開) | Mandiant と SlowMist の中間報告。どちらも「第三者のセキュリティ製品」2つへの不正な侵入を挙げている。製品名は「A」「B」と伏せられている(下の「外部の調査会社2社の中間報告に書かれていること」) |
| 損失の補填 | 最初の告知では、4億6,400万ドル超を保有する利用者保護基金の補償範囲に収まると説明。9月28日の CEO の投稿は「保護基金で100%まかなう」「基金は1週間以内に自社の資金で3億ドル超まで積み戻す」。9月30日に3億ドル超まで積み戻したと告知 |
| 回収 | 一部の資産は業界の協力で凍結済み。条件を満たす協力で資産が凍結・回収された場合、その額の5%を報奨金の対象とする制度を開始。対象かどうかと金額は Bitget が最終的に判断し、支払いは保証されないと明記 |
| 出金 | 9月28日から段階的に再開。BTC・ETH・USDT は再開済み。BSC 経由の BTC は9月29日に止まり、30日に再開(上の表と説明) |
| 入金・取引 | 通常どおり |
参考として1ドル=158円を換算の前提として試算すると、修正後の被害の見込みは約612億円、保護基金は733億円を超える規模です。
「24時間以内の事故報告書」はどうなった?
公表の当初、告知の「What comes next」には「1時間ごとに更新する」「原因分析と是正措置を含む事故報告書を24時間以内に公表する」と書かれていました。9月26日13時台(日本時間)に同じ告知を開くと、この2つの記載は本文から無くなっていました。9月29日・30日に開いた本文も同じで、「調査の最新情報を出す」「調査が終わるまで攻撃の経路は推測しない」という書き方です。
9月28日、CEO は X に「Full trace-back complete(追跡を完了した)」と書き、上の表の経路と対策を並べました。9月30日 5時20分(UTC)=日本時間14時20分には、Bitget が「Update On Slowmist and Mandiant Report」を掲載し、外部の調査会社2社の報告を公開しました。告知は、2社の調査結果が「Bitget がこれまで開示した攻撃の経路とおおむね一致する」としています。
ただし、2つの報告はどちらも調査の途中で書かれた中間報告です。Mandiant の報告は「Status Report」で「調査は継続中」と書かれ、SlowMist の報告は「Investigation Progress Report」で「9月29日時点の進捗」とされています。公表の当初に告知が約束していた「原因分析と是正措置を含む事故報告書」にあたる Bitget 自身の文書は、9月30日と10月1日に取得したお知らせ一覧の表示範囲(あわせて9月28日7時59分 UTC 以降の掲載分)には見当たりません。
外部の調査会社2社の中間報告に書かれていること
報告の時刻は UTC+8 で書かれています。下の表では日本時間(UTC+9)に直しています。
| 項目 | 報告の記載 | 出典 |
|---|---|---|
| いちばん早い不正な動き | 8月31日。残っているログで確認できたもの。「製品A」のノードの1つで動いていたサービスがゼロデイ脆弱性(修正が出ていない脆弱性)の影響を受け、攻撃者がデータベースのパスワードを読み出して接続した。同じような動きが9月23日と9月25日に別の2つのノードでも見つかった | SlowMist |
| 9月25日の侵入 | 日本時間1時7分から、攻撃者が社員の ID を使って「製品B」の管理画面に入り、悪意のあるファイルを書き込もうとした | SlowMist |
| 侵入の経路 | 9月24日に、第三者のセキュリティ機器 A と B への特権的なアクセスを不正に得た。B にウェブシェル(遠隔操作用のプログラム)を置き、そこから本番のウォレットのジョブサーバーに移って悪意のあるパッケージを置いた | Mandiant |
| 出金に使われた道具 | ウォレットの出金の仕組みに合わせて作り込まれた出金ツール。リスク管理のパラメーターを偽装して出金の要求を作っていた。攻撃者が消したファイルの中から見つかった。日本時間2時49分に動き出した | SlowMist |
| 送金が続いた時間 | 確認できた最初の送金は日本時間3時31分00秒、記録は6時23分11秒まで。約2時間52分、複数のチェーンにまたがる | SlowMist |
| 検知との関係 | Bitget の監視が不正な送金を検知したのは日本時間3時31分。Ethereum 上の不正な送金は、正規の社内の送金にまぎれて検知からおよそ3時間後の6時23分ごろまで続いた | Mandiant |
| そのあとの試み | 攻撃者はウォレットのデータベースの出金記録を直接書き換えようとした。偽の BTC の出金指示2件は処理に入ったものの、エラーで返った | SlowMist |
| 秘密鍵とコールドウォレット | 秘密鍵が漏れた形跡は Bitget が確認しておらず、コールドウォレットは影響を受けていない(Bitget の説明として記載) | Mandiant |
報告は、Mandiant の報告(PDF)とSlowMist の報告(PDF)で読めます。どちらも、2つの製品の名前と提供元は書いていません。
日本居住者の「11月1日・12月31日」の日程はどうなる?
Bitget は8月3日に、日本居住者へのサービス提供を終了すると公表しています(当サイトの8月の記事で整理しています)。9月17日に公開された FAQ の日程に、今回の再開の日程を重ねると次のようになります。
| 日付(日本時間) | 内容 |
|---|---|
| 8月3日 | 日本居住者の新規登録を受け付けない |
| 9月17日以降 | 通知を受け取った利用者が、暫定的に日本居住者として扱われる |
| 9月25日 3時31分 | 不正な送金を検知。その後、出金サービスを一時停止(停止した正確な時刻は告知に記載なし) |
| 9月28日 17時 | BTC(ビットコインのネットワーク)の出金を再開 |
| 9月29日 17時 | ETH の出金を再開 |
| 9月30日 17時 | USDT の出金を再開 |
| 10月2日 17時 | そのほかのトークン・法定通貨・P2P の出金を再開する予定(上の表) |
| 11月1日 11時 | 決済専用(Close-Only)モード。新規の建玉・積み増しはできず、使えるのは入金(制限付き)・資産の出金・BTC と ETH への交換 |
| 12月31日 11時 | 残っているポジションを強制決済。カードサービスを停止 |
最後の枠(10月2日17時)から11月1日11時までは、29日と18時間です。
FAQ は、日本の利用者に向けて、ポジションを閉じて資産の出金を始めるよう案内していました。9月25日からの出金の停止と、9月28日からの段階的な再開について、Bitget の告知に日本の利用者を別に扱う記載はありません。
10月1日に確認した日本居住者向けの8月3日の告知と9月17日の FAQ は、当サイトが9月26日に保存した本文と比べて変わっていません。11月1日と12月31日の日程を変えるという記載もありません。FAQ は「暗号資産の出金機能は継続して利用できる」「12月31日のあとも出金できる」と書いています。期限を過ぎても、出金の手段そのものが無くなるわけではない、というのが FAQ の記載です。
FAQ の Q10 によると、9月17日以降に Bitget から通知を受け取った利用者が、暫定的に日本居住者として扱われます。その頃に通知を受け取っていなければ、既定では日本居住者として扱われない、とも書かれています。通知を受け取ったものの居住国の判定が誤っている場合は、レベル2本人確認(住所証明)を済ませるか、サポートに連絡する手段が案内されています。
保護基金は、今回の被害をまかなえる規模なのか
9月30日の「Bitget Protection Fund Replenished to $300M+」によると、Bitget の保護基金は2022年に当初3億ドル規模で設けられ、5,500 BTC が裏付けとされていました。事故告知は、事故の時点の基金の規模を「4億6,400万ドル超」としています。2つの数字の差について、換算の根拠はどちらの告知にも書かれていません。
| 金額 | 基金に対する比率 | |
|---|---|---|
| 当初の被害の見込み(9月24日) | 約3億5,160万ドル | 約76% |
| 修正後の被害の見込み(9月25日) | 約3億8,750万ドル | 約84% |
| 保護基金(最初の告知の時点) | 4億6,400万ドル超 | — |
| 積み戻すとしている水準(9月28日の CEO の投稿) | 3億ドル超 | — |
| 積み戻しを済ませたという告知(9月30日) | 3億ドル超 | — |
比率は、基金を4億6,400万ドルとして計算したものです。公表額は「超」なので、実際の比率はこれより低い可能性があります。
9月28日の CEO の投稿で、基金の使い方が初めて書かれました。損失は基金で100%まかない、そのあと1週間以内に、自社の資金で基金を3億ドル超まで積み戻す、という説明です。積み戻すとしている水準(3億ドル超)は、最初の告知の「4億6,400万ドル超」より小さい数字です。
9月30日 9時(UTC)=日本時間18時、Bitget は基金を3億ドル超まで積み戻したと告知しました。9月28日に約束した「1週間以内」の2日後です。告知は、利用者の口座の残高は正確で影響を受けていないとし、保護基金のページに載っているウォレットのアドレスで、ブロックチェーン上の残高を利用者が自分で確かめられるとしています。3億ドル超の内訳(何 BTC か)は、告知の本文には書かれていません。
この件が示していること
3つあります。
1つ目は、当サイトが2026年の夏から秋に掲載した事例では、海外の取引所・事業者のサービス終了や出金の停止・制限が複数あること。各社の公表内容と一次情報へのリンクは、下の表の事業者名から当サイトの記事でたどれます。
| 時期 | 事業者 | 起きたこと |
|---|---|---|
| 2026年8月3日 | Bitget | 日本居住者向けサービスの終了を公表 |
| 2026年8月 | BitradeX | 「既存資産を一括で払えない」と公表 |
| 2026年8月〜9月 | IZAKA-YA | 一部アカウントの送金・出金を停止。その後、日本居住者向けサービスの終了を公表 |
| 2026年9月23日 | BitMEX | 取引所を閉鎖(出金は継続) |
| 2026年9月 | CoinEx | 取引所のサービス終了を公表 |
| 2026年9月25日 | Bitget | ホットウォレットからの不正送金を検知、出金サービスを一時停止 |
| 2026年9月26日 | Bitget | 9月28日から出金を段階的に再開する予定と公表 |
| 2026年9月28日 | Bitget | BTC の出金を再開。CEO が攻撃の経路と基金の積み戻しを説明 |
| 2026年9月29日 | Bitget | BSC 経由の BTC の出金を、保守のため停止すると告知。同じ日に ETH の出金を再開 |
| 2026年9月30日 | Bitget | BSC 経由の BTC と USDT の出金を再開。外部2社の中間報告を公開し、保護基金を3億ドル超まで積み戻したと告知 |
中身は一様ではありません。BitMEX や CoinEx のように、出金はできるまま、終了の日程を公表した例があります。BitradeX・IZAKA-YA、そして今回の Bitget のように、出金そのものが止まった・制限された例もあります。どちらも、利用者の側から見れば、事業者が公表したサービス終了や制限によって、使える期間や出金の条件の変更が分かった事例です。Bitget の場合は、撤退の日程の途中に、出金の停止が重なりました。
2つ目は、出金を止めるのも、どの順番でいつ戻すのかも、Bitget の告知で決まっていること。そして、その告知の文面は公表のあとに書き換わっていること。出金は「予防措置」として止められ、再開は BTC → ETH → USDT → そのほか、という順番で同社が日程を示しました。9月28日に BTC、29日に ETH、30日に USDT の出金が予定どおり動き出した一方で、29日には BSC 経由の BTC の出金が保守を理由に止まり、30日に戻りました。公表の当初にあった「1時間ごとの更新」「24時間以内の事故報告書」は、9月26日以降の告知の本文にありません。題名も「Bitget Hot Wallet Incident」から「Bitget exchange hot wallets Incident」に変わり、補填の説明も「この損失の全額」から「このプラットフォーム全体の事案に関する損失」という書き方に変わっています。同じ URL の告知でも、いつ開いたかで書かれていることが違う、という状態です。
3つ目は、外部の調査会社の中間報告が、侵入から流出までの時間の長さを示したこと。SlowMist の報告では、残っているログで確認できたいちばん早い不正な動きは8月31日で、送金が起きた9月25日より3週間以上前です。Mandiant の報告では、不正な送金は検知のあともおよそ3時間続きました。どちらも、Bitget 自身が当初の告知に書いていなかった内容です。
現時点で未確定の事項
- Bitget 自身が、原因分析と是正措置を含む事故報告書を出すかどうかと、その時期。外部2社の報告はどちらも中間報告で、脆弱性があった第三者の製品は「A」「B」と伏せられています
- そのほかのトークン・法定通貨・P2P(10月2日17時)の再開が、予定どおり行われるか
- 再開の表に無いネットワークの ETH・USDT(たとえば表に無いチェーン上の USDT)が、どの枠で再開するのか
- 10月2日の「そのほかのトークン」に、すべての通貨・ネットワークが含まれるのか
- 日本居住者向けの日程(11月1日・12月31日)に影響があるか(10月1日時点の告知・FAQ に記載はありません)
- 日本の当局(金融庁など)が何らかの公表をするか。Bitget は金融庁の無登録業者の一覧(海外所在業者)に Bitget Limited の行が2つあり、掲載時期はそれぞれ令和5年(2023年)3月と令和6年(2024年)11月です
出典・確認日
- Bitget「Bitget Protection Fund Replenished to $300M+」2026年9月30日
- Bitget「Bitget announcement on resuming USDT withdrawals」2026年9月30日
- Bitget「Update On Slowmist and Mandiant Report」2026年9月30日
- Mandiant「Bitget Incident Response Status Report」2026年9月28日付
- SlowMist「Investigation Progress Report – Bitget」2026年9月29日時点
- Bitget「Bitget announcement on resuming BTC – Binance Smart Chain withdrawals」2026年9月30日
- Bitget「Bitget announcement on resuming ETH withdrawals」2026年9月29日
- Bitget「Bitget announcement on suspending BTC – Binance Smart Chain network withdrawal service」2026年9月29日
- Bitget「Bitget announcement on resuming BTC – BITCOIN withdrawals」2026年9月28日
- Bitget「Bitget announcement on resuming BTC – Binance Smart Chain withdrawals」2026年9月28日
- Bitget 公式の X 投稿(2026年9月28日)
- Gracy Chen(Bitget CEO)の X 投稿(2026年9月28日、AMA の要約)
- Bitget「Bitget to Resume Withdrawals in Phases」2026年9月26日
- Bitget「Bitget Security Latest Incident Update: Fund Tracing and Recovery Bounty Program」2026年9月25日
- Bitget「[SECURITY NOTICE] Bitget exchange hot wallets Incident — September 24, 2026」(公表時の題名「Bitget Hot Wallet Incident」)
- Bitget「出金サービスに関するお知らせ — 2026年9月24日」(公表時の題名「Bitget出金一時停止のお知らせ」)
- Gracy Chen(Bitget CEO)の X 投稿(2026年9月24日)
- Bitget「重要なお知らせ:日本居住者の皆様への重要なご案内」2026年8月3日
- Bitget「FAQ – 日本居住者の皆様への重要なお知らせ」2026年9月17日
- Bitget「保護基金」
- 金融庁「無登録で暗号資産交換業を行う者の名称等について」(海外所在業者)
確認日: 2026年10月1日(15時台)。初出は2026年9月25日。
この記事のまとめ
- Bitget は、日本時間9月25日3時31分に、一部のホットウォレットからの不正な送金を検知したと公表しました。被害の見込みは当初の約3億5,160万ドルから、Zcash と TRON 上の資産を加えて約3億8,750万ドルに修正されています(追加の不正送金ではないと説明)
- BTC(ビットコインのネットワーク)の出金は、9月28日17時(日本時間)に予定どおり再開しました。同日18時までに9,585件・4,098.036 BTC を処理したと CEO が書いています。ETH は9月29日17時、USDT は9月30日17時(日本時間)に再開したと告知されています。そのほかのトークン・法定通貨・P2P は10月2日の予定です。入金と取引は通常どおりです
- BSC 経由の BTC の出金は、いったん開いたあと、9月29日12時15分(日本時間)から「ウォレットの保守」のため止まり、30日13時59分に再開したと告知されています
- CEO は、第三者の製品の脆弱性から社内の認証情報が盗まれ、不正な出金の指示が出されたと説明しました。秘密鍵は漏れておらず、コールドウォレットも影響を受けていないとしています。9月30日に公開された外部2社の中間報告は、どちらも第三者のセキュリティ製品2つへの侵入を挙げています。SlowMist の報告は、残っているログで確認できたいちばん早い不正な動きを8月31日としています
- 損失は保護基金で全額まかない、基金は9月30日に3億ドル超まで積み戻したと告知しています。最初の告知の基金の規模は「4億6,400万ドル超」でした
- Bitget に日本居住者として扱われる利用者は、11月1日から決済専用モード、12月31日に残っているポジションの強制決済の対象となる予定です。10月1日時点で、この日程を変える記載はありません。FAQ には、12月31日のあとも暗号資産の出金はできると書かれています
- 2026年の夏から秋にかけて、海外の取引所・事業者のサービス終了や出金の制限が、撤退・閉鎖・流出と形を変えて続いています
出金の「再開」は、1回のお知らせで全部が戻るものではありませんでした。自分の資産は、どの通貨の、どのネットワークにありますか。
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※本記事は公表された資料・発表の内容を整理した一般的な情報提供であり、特定の個人・団体・商品・サービスの利用や解約を勧めるものではありません。投資の最終判断はご自身の責任で行ってください。元本保証はなく、損失が生じる可能性があります。税務の取扱いについては税理士に、法律上の論点については弁護士にご確認ください。
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