暗号資産を預けて増やすサービス「IZAKA-YA(イザカヤ)」が、2026年8月24日に自社サイトで「一部の利用者について、送金と出金を一時的に止めている」と公表しました。運営しているのは香港の会社です。
止めた理由は「怪しいお金の流れが一部で見つかったため、確認と調査をしている」と説明されています。全員が止まっているわけではない、とも書かれています。あわせて、これまで不要だった本人確認が、これから全員に必要になります。
止まっているのが何人分でいくらなのか、いつ戻るのかは、この告知には書かれていません。
一方で、他社から資産を移してきた人を対象にした募集キャンペーンは続いており、その延長分が8月25日から始まっています。
何が公表されたのか
IZAKA-YA は2026年8月24日、「送金・出金およびKYC認証に関するお知らせ」を公開しました。区分は「プレスリリース」、筆者は「IZAKA-YA編集部」と表示されています。
告知には、次のように書かれています。
現在、不正な資金の流入やマネー・ローンダリングの疑いがある取引が一部確認されているため、該当する一部のアカウントにつきましては、安全確認および調査のため、送金・出金を一時的に停止しております。
対象の範囲についても、原文に説明があります。
今回の対応は、すべてのユーザーを対象とした一律の送金・出金停止ではなく、不正利用やマネー・ローンダリング等の疑いがあり、追加確認が必要と判断された一部のアカウントを対象とした措置となります。
停止していない利用者についても、告知は「安全確認および取引モニタリングの強化に伴い、通常の送金・出金につきましても、確認のため通常よりお時間をいただく場合がございます」としています。
本人確認(KYC)が全員に必須になった
同じ告知で、本人確認の扱いが変わったことも案内されています。
すべてのIZAKA-YAユーザーを対象にKYC(本人確認)認証を必須とさせていただきます。
これは、それ以前の案内とは内容が異なります。2026年8月7日の「【重要】BitMartサービス終了に伴うお知らせ」には「IZAKA-YAのアカウントは、メールアドレスのみで作成いただけます。本人確認書類の提出は不要です」と書かれていました。
8月24日以降は、全員が本人確認の手続きを済ませる必要がある、という案内になっています。本記事は、この変更の理由について公表以上のことは述べません。
運営会社と、サービスを提供していない国
サイトのフッターには、運営者が明記されています。
このウェブサイトは、登録住所がRoom 1701, 17/F, Wai Fung Plaza, 664 Nathan Road, Mongkok, Kowloon, Hong KongのIzakaya Limitedによって運営されています。
同じ場所に、サービスを提供していない国も列挙されています。
制限地域: Izakaya Limited は、アメリカ合衆国、カナダ、アルゼンチン、イスラエル、イラン・イスラム共和国、北朝鮮など、特定の国の居住者にはサービスを提供していません。
この列挙に日本は含まれていません。サイトの言語切替は JP / EN / TH / VN / PH の5言語です。
金融庁の一覧での記載状況
日本国内で暗号資産と円などの交換サービスを行うには、資金決済法にもとづく暗号資産交換業の登録が必要です。金融庁は登録を受けた事業者の一覧と、警告書を発出した無登録業者の一覧を公表しています。
2026年8月25日に、当サイトで実際に3つの一覧を開いて確認しました。
- 暗号資産交換業者登録一覧(令和8年8月21日現在・冒頭に「【全業者数:27】」)に、Izakaya Limited および IZAKA-YA の記載はありませんでした
- 無登録で暗号資産交換業を行う者の名称等について(国内)に、記載はありませんでした
- 無登録で暗号資産交換業を行う者の名称等について(海外)にも、記載はありませんでした
ここで、この一覧そのものに付いている留意事項が重要になります。原文は次のとおりです。
掲載されている無登録業者は、警告書の発出を行った時点で資金決済に関する法律第63条の2の規定に違反し、無登録で暗号資産交換業を行っていることが確認できた者です。そのため、掲載されていない者であっても、無登録交換業に該当する行為を行っていることがあり得ますのでご注意ください。
つまり、この一覧に名前がないことは、その事業者が適法であるという意味にはなりません。逆に、違法だという意味にもなりません。金融庁のこれらの資料は「暗号資産の利用者のみなさまへ」のページに掲載されています。
告知が出た日付の並び
IZAKA-YA のお知らせ一覧に掲載されている、直近の告知の日付と見出しは次のとおりです。原文の表記のまま並べています。
| 日付 | 見出し |
|---|---|
| 2026/8/3 | 【新規対応】JPYC(Kaia)取扱開始のお知らせ |
| 2026/8/6 | JPYC(Kaia)全ユーザー利用開始&レンディング対応のお知らせ |
| 2026/8/7 | 【重要】BitMartサービス終了に伴うお知らせ |
| 2026/8/8 | 【夏フェス後夜祭、開幕】この夏、最後の MATSURI. |
| 2026/8/10 | 【8月25-31日延長】IZAKA-YA百五十祭り |
| 2026/8/15 | アフィリエイト報酬増額、紹介された側ももらえる!! |
| 2026/8/22 | 乗り換えキャッシュバック× 初回限定・年利500%キャンペーン |
| 2026/8/24 | 送金・出金およびKYC認証に関するお知らせ |
日付の並びを示したもので、それぞれの告知のあいだに因果関係があるかどうかは、公表資料からは分かりません。
募集キャンペーンは8月25日から延長分が始まっている
【8月25-31日延長】IZAKA-YA百五十祭りの告知には、開催期間が「2026年8月25日〜8月31日まで (※上限に達し次第終了となる場合があります)」と書かれています。
内容は原文で次のように説明されています。
入金額の100%をそのままレンディングへ充当したうえで、2週間後に年率50%相当の追加配布を実施します。あわせて実質年利150%の優遇です。
参加方法として、よくある質問の Q1 では、現在利用中の取引所やサービスで資産を出金し、IZAKA-YA のウォレットアドレスへ送金する、という手順が案内されています。
また、この告知には拡散に対する特典も含まれています。
本キャンペーンを投稿・シェアするたびに、1投稿につき5USDTを付与します。24時間に1回の投稿が有効で、上限は5回分・合計最大25USDTです。
対象は「SNSアカウントフォロワー30人以上のアカウント」、指定のハッシュタグは「#乗り換え #暗号通貨業界応援 #IZAKAYA」と書かれています。SNSでこのハッシュタグの付いた投稿を見かけた場合、その投稿が特典の対象として行われている可能性がある、ということは確認項目のひとつです。
別に、2026年8月22日付の「乗り換えキャッシュバック× 初回限定・年利500%キャンペーン」も掲載されています。期間は2026年8月22日から9月21日まで、上限は10,000円相当のUSDTとされ、乗り換え元として「SBI」「日本国内の銀行・証券会社」「JPYCウォレット」「その他国内取引所」「海外の銀行・証券会社」「海外取引所」が挙げられています。
なお、百五十祭りの告知の注意事項には、運営自身の記載として「暗号資産の運用にはリスクが伴います。ご自身の判断と責任においてご参加ください」とあります。
BitMart の8月26日の期限との関係
当サイトではBitMEXとBitMartが閉鎖へ|どちらも8月26日が取引制限の節目で、BitMart の閉鎖日程を扱いました。
IZAKA-YA は2026年8月7日の告知で、BitMart に自社トークン IZKY を預けている利用者に対し、「8月26日 14:00までに」Earn・ステーキングの償還、本人確認、出金申請を済ませるよう案内しています。そして「BitMartから出金したIZKYは、IZAKA-YAウォレットでお預かりできます」として、移動先に自社ウォレットを示しています。
つまり、BitMart の期限に合わせて資産を動かす人と、IZAKA-YA が8月24日に公表した一時停止の告知は、同じ週に重なっています。移動先の口座で送金・出金の扱いが現在どうなっているかは、移動を検討する際の確認項目のひとつです。
SNSでの声(二次情報)
NADA NEWSは2026年8月24日、Xのアカウント「プロデューサーZ」が同日、「約2週間前からIZAKA-YAで出金できないとの相談を受け、その後も複数人から同様の相談」と投稿したと報じています。
これらはSNS上の個々の投稿であり、本記事はその内容の当否について判断を示しません。海外の事業者に預けた資産が引き出せなくなる場面には複数の型があります。仕組みの整理はバイナンスがHTXなど16社との取引を制限へ|海外取引所で「出金できない」が起きる仕組みにまとめています。
日本語で提供されているサービスで、運営側が資産の払い出しについて公表を行った例としては、BitradeXが「既存資産を一括で払えない」と公表も2026年8月にありました。事案の内容は別のものですが、公表文の読み方という点では並べて確認できます。
現時点で未確定の事項
- 送金・出金が停止されているアカウントの数(8月24日の告知に記載がありません)
- 停止の対象になっている資産の規模(同)
- 停止が解除される時期(「安全性が確認でき次第、順次対応を進めてまいります」とされています)
- 停止対象になる基準(「不正利用やマネー・ローンダリング等の疑いがあり、追加確認が必要と判断された」とのみ記載)
- 日本国内の利用者数、および日本の利用者が停止対象に含まれるかどうかの明示(公表されていません)
- 全ユーザーへのKYC必須化の適用開始日と、未完了の場合の取り扱い(告知に日付の記載がありません)
- 日本の当局による対応の有無(本記事の確認時点で、金融庁の公表資料に IZAKA-YA および Izakaya Limited に関する記載は見当たりません)
この記事のまとめ
- 暗号資産の預け入れサービス「IZAKA-YA」(運営は香港のIzakaya Limited)が2026年8月24日、一部アカウントの送金・出金を一時的に停止していると公表しました。理由は「不正な資金の流入やマネー・ローンダリングの疑いがある取引」の確認・調査としています
- あわせて、これまで不要だった本人確認(KYC)を全ユーザーに必須化すると案内しています
- 停止の対象人数・金額、解除の時期、KYC必須化の適用開始日は告知に記載がありません
- サービス提供していない国の一覧に日本は含まれておらず、金融庁の登録業者一覧・無登録業者一覧(国内・海外)のいずれにもIzakaya Limited・IZAKA-YAの記載はありませんでした(2026年8月25日確認)
- 同時期に、他社から資産を移した人向けの募集キャンペーン(延長分)が8月25日から始まっていることも告知されています
この記事に出てくる言葉
- レンディング(暗号資産の貸出)
- 持っている暗号資産を事業者に一定期間預け、その対価として上乗せ分を受け取る仕組み。預けている間は自分で動かせないことが多く、事業者が返せなくなった場合の扱いは、その事業者の規約や資力によって変わります。
- KYC(本人確認)
- Know Your Customer の略。氏名・住所・生年月日などを、身分証などで事業者が確認する手続きのこと。マネー・ローンダリング(お金の出どころを分からなくする行為)を防ぐために行われます。
- マネー・ローンダリング(資金洗浄)
- 犯罪などで得たお金を、取引を重ねて出どころが分からない状態にする行為。これを防ぐための社内の仕組みや監視をAML(アンチ・マネー・ローンダリング)と呼びます。
- 暗号資産交換業の登録
- 日本国内で暗号資産と円などの交換サービスを行うために必要な、資金決済法にもとづく登録のこと。財務局長が登録番号を付与し、金融庁が一覧を公表しています。登録を受けた事業者には、利用者の資産を自社の資産と分けて管理することなどが義務づけられています。
- 拡散特典(アフィリエイト・紹介報酬)
- サービスを紹介したり、SNSで投稿したりした人に、事業者が金銭や暗号資産を支払う仕組み。投稿した人に報酬が発生している場合、その投稿は広告としての性格を持ちます。
- 年利(APR)
- 1年間預けた場合の上乗せ分の割合として示される数値。表示されている数値は、あくまでその事業者が示す条件や見込みであり、将来の受取額を約束するものではありません。
出典・確認日: 本記事は2026年8月25日7時45分(日本時間)に、上記の各ページを取得して作成しました。掲載内容はその後変更される場合があります。
※本記事は公表された資料・発表の内容を整理した一般的な情報提供であり、特定の個人・団体・商品・サービスの利用や解約を勧めるものではありません。投資の最終判断はご自身の責任で行ってください。元本保証はなく、損失が生じる可能性があります。税務の取扱いについては税理士に、法律上の論点については弁護士にご確認ください。
運営: 株式会社シンセイサービス
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