暗号資産を預けて増やすサービス「IZAKA-YA(イザカヤ)」を運営する香港の会社に対して、 金融庁が2026年9月1日、「日本の登録を受けずに暗号資産の交換サービスを行っていた」として 警告書を出したことを公表しました。
金融庁は、こうした無登録の業者の名前を一覧にして公開しています。海外の会社をまとめた一覧は 今回で22件になりました。ひとつ前に名前が載ったのは令和6年(2024年)11月で、 このときは KuCoin、Bybit、MEXC、Bitget など5社が同時に載っています。
当サイトでは8月25日に、IZAKA-YA が一部の送金・出金を止めたことと、その時点では 金融庁のどの一覧にも名前がなかったことを記事にしました。今回、その一覧に名前が載りました。
なお、この一覧に名前がないことは「その業者が適法である」という意味にはならない、と 金融庁自身が一覧の中で説明しています。
金融庁が公表した内容
金融庁は2026年9月1日、無登録で暗号資産交換業を行う者について(Izakaya Limited)を公表しました。 報道発表資料の令和8年9月1日の枠に掲載されています。
資料には、警告の根拠が次のように書かれています。
無登録で暗号資産交換業を行う者について、事務ガイドライン第三分冊:金融会社関係16.暗号資産交換業者関係Ⅲ-1-6(2)②に基づき、本日、警告を行いましたので、下記のとおり公表いたします。
対象として記載されているのは、次の内容です。原文の項目名のまま並べます。
| 項目 | 記載内容 |
|---|---|
| 業者名等 | Izakaya Limited 代表者 不明 |
| 所在地 | Room 1701, 17/F, Wai Fung Plaza, 664 Nathan Road, Mongkok, Kowloon, Hong Kong |
| 内容等 | インターネットを通じて、日本居住者を相手方として、暗号資産交換業を行っていたもの |
| 備考 | インターネット上で暗号資産取引を行っている「IZAKA-YA」を運営している。 |
資料の末尾には、金融庁自身による注記が付いています。
※ 上記は、インターネット上の情報に基づいて記載しており、「業者名等」「所在地」は、現時点のものでない可能性があります。
問い合わせ先として記載されているのは、金融庁 資産運用・保険監督局 暗号資産・ステーブルコイン課 暗号資産モニタリング室です。
なお、報道の一部は IZAKA-YA を「暗号資産レンディング」と表現していますが、金融庁の資料に 書かれている語は「暗号資産交換業」および「暗号資産取引」です。本記事で金融庁の資料を 説明している箇所は、金融庁の表記に合わせています。
警告書の発出は行政処分とは別のもの
今回公表されたのは「警告書の発出」です。業務停止命令や業務改善命令といった行政処分とは 区分が異なります。金融庁の暗号資産・電子決済手段関係のページでも、 新着情報が「行政処分」「無登録業者関連」「その他」に分けて整理されており、今回の公表は 無登録業者関連にあたります。
警告書の発出後にどのような手続きが続くのか、あるいは続かないのかについて、 今回の公表資料に記載はありません。
一覧に載った位置と、ひとつ前の掲載時期
金融庁は、警告書を出した無登録業者を 海外所在業者の一覧 と 国内の一覧 の2つに分けて公表しています。 掲載元は 暗号資産の利用者のみなさまへ のページです。
2026年9月2日に、当サイトで両方の一覧を開いて数えました。
- 海外所在業者の一覧 … 22件。Izakaya Limited が最上段にあり、「掲載時期」欄は「令和8年9月」
- 国内の一覧 … 3件(株式会社ブリッジインベストメント/クリプトカレンシーワールドワイド株式会社/久積篤史)
海外の一覧で Izakaya Limited のひとつ下に並んでいるのは、掲載時期が「令和6年11月」の KuCoin です。同じ令和6年11月には、bitcastle LLC、Bybit Fintech Limited、MEXC Global、 Bitget Limited を合わせた5社が載っています。つまり海外所在業者の一覧に名前が追加されたのは、 令和6年11月以来ということになります。
この一覧の「掲載時期」欄は年と月までの表記で、日付までは書かれていません。
「載っていない=適法」ではないと一覧自体に書かれている
一覧の冒頭には、次の留意事項が付いています。原文のとおりです。
掲載されている無登録業者は、警告書の発出を行った時点で資金決済に関する法律第63条の2の規定に違反し、無登録で暗号資産交換業を行っていることが確認できた者です。そのため、掲載されていない者であっても、無登録交換業に該当する行為を行っていることがあり得ますのでご注意ください。
一覧に名前がないことは、その事業者が適法であるという意味にはなりません。逆に、違法だという 意味にもなりません。この一覧は「警告書を出した時点で確認できた者」の記録である、という 位置づけです。
当サイトが8月25日に3つの一覧を確認したときには、Izakaya Limited も IZAKA-YA も どの一覧にも記載がありませんでした。その時点の記録は IZAKA-YA(イザカヤ)が一部アカウントの送金・出金を一時停止|公表された内容と金融庁の登録状況 に残しています。一覧を見た時期によって結果が変わりうる、という例のひとつです。
日付の並び
公表資料と当サイトの既報から確認できる日付を、時系列で並べます。
| 日付 | 出来事 |
|---|---|
| 2026年8月24日 | IZAKA-YA が「送金・出金およびKYC認証に関するお知らせ」を公開(一部アカウントの送金・出金を一時停止、全員にKYCを必須化) |
| 2026年8月25日 | 当サイトで金融庁の3つの一覧を確認。Izakaya Limited・IZAKA-YA の記載なし |
| 2026年9月1日 | 金融庁が Izakaya Limited への警告書の発出を公表 |
| 2026年9月2日 | 海外所在業者の一覧に「令和8年9月」掲載として反映されていることを確認 |
これは日付の並びを示したものです。8月24日の告知と9月1日の警告書のあいだに因果関係があるか どうかは、公表資料からは分かりません。
現時点で未確定の事項
公表資料に記載がなく、本記事で確定できていない点を挙げます。
- 警告書の発出後に、追加の手続きや処分が行われるのかどうか
- IZAKA-YA のサービスが今後どうなるのか(運営側からの対応の公表は、本記事の確認時点で確認できていません)
- 8月24日から続いている送金・出金の一時停止が、いつ解除されるのか
- 警告書の名宛人に、日本国内の関係者が含まれるかどうか
確認項目
海外に所在する事業者に資産を預けている場合に、公表資料から確認できることを挙げます。 いずれも判断そのものではなく、確認できる材料です。
- 金融庁の暗号資産交換業者登録一覧と無登録業者の一覧に、
その事業者の名前があるかどうかは確認項目のひとつです。ただし前述のとおり、 一覧に載っていないことは適法性を示すものではありません
- 海外の事業者で資産が動かせなくなる場面には複数の型があります。仕組みの整理は
バイナンスがHTXなど16社との取引を制限へ|海外取引所で「出金できない」が起きる仕組み にまとめています
- 海外の事業者が日本居住者向けのサービスを終了する場合、期限が設定されることがあります。
実例は Bitgetが日本居住者向けサービスを終了へ|11月1日と12月31日、2つの期限 にまとめています
- 暗号資産をめぐる日本の規制の現在地は
金融庁の暗号資産11項目要請とは?出庫制限と税制改正の現在地 で扱っています
この記事のまとめ
- 金融庁は2026年9月1日、暗号資産の預入サービス「IZAKA-YA」を運営する香港の会社Izakaya Limitedに対し、無登録で暗号資産交換業を行っていたとして警告書を発出したことを公表しました
- 海外所在業者の無登録一覧に名前が追加され、掲載は22件になりました。前回この一覧に名前が追加されたのは令和6年(2024年)11月で、このときKuCoin・Bybit・MEXC・Bitgetなど5社が同時に載っています
- 当サイトは8月25日時点で金融庁の一覧を確認しており、その時点ではIzakaya Limited・IZAKA-YAともどの一覧にも記載がありませんでした。IZAKA-YA自体は8月24日に一部の送金・出金を一時停止し全員にKYCを必須化すると告知しています
- 警告書の発出は業務停止命令などの行政処分とは区分が異なるものとして扱われています
- 金融庁は一覧の中で「掲載されていない者であっても無登録交換業に該当する行為を行っていることがあり得る」と注記しており、一覧に名前がないことは適法という意味にはならないとしています
- 警告書の発出後に追加の手続きや処分が行われるか、送金・出金の一時停止がいつ解除されるか、8月24日の告知と9月1日の警告の間に因果関係があるかは、記事内で未確定の事項として明記されています
出典と確認日
- 金融庁「無登録で暗号資産交換業を行う者について(Izakaya Limited)」令和8年9月1日
- 金融庁「無登録で暗号資産交換業を行う者の名称等について」(海外所在業者・国内)
- 金融庁「暗号資産・電子決済手段関係」新着情報
- 金融庁 報道発表資料 令和8年9月1日の枠
いずれも2026年9月2日に取得・確認しました。一覧の件数と掲載時期は同日時点の実測値です。 金融庁の資料は更新されることがあります。最新の内容は上記の原文に掲載されています。
本記事は公表された資料の内容を整理したものであり、特定のサービスの利用や解約を勧めるものでは ありません。税務の取扱いについては税理士に、法律上の論点については弁護士にご確認ください。
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