「コインチェックって、レバレッジはやめたんじゃなかった?」。その記憶は合っています。コインチェックのレバレッジ取引は、2020年3月13日に終わっています。
そのレバレッジ取引が、2026年9月24日から「Coincheckレバレッジ」として戻ってきました。倍率は最大2倍で、BTC・ETH・XRP の3つです。
ただし、いまアプリを開いても使えない人がいます。始まったのは iOS 版アプリだけで、使える人も段階的に広げている途中です。
この記事で分かること
- 「Coincheckレバレッジ」の中身(対象・倍率・銘柄・使える環境)
- 「レバレッジができない」ときに当てはまりうる条件
- 2020年3月に終わったときの経緯(告知に書かれていたこと)
- 最大2倍で、値動きが証拠金にどう響くかの計算
- 暗号資産の証拠金取引の税金(国税庁FAQの記載)
何が起きたか:コインチェックがレバレッジ取引を再開
コインチェック株式会社は2026年9月24日、暗号資産のレバレッジ取引(CFD:差金決済取引)のサービス「Coincheckレバレッジ」を、Coincheck アプリ(iOS 版)で提供し始めたと発表しました。
発表の「サービス概要」をまとめると、次のとおりです。
| 項目 | 発表の記載 |
|---|---|
| 提供開始日 | 2026年9月24日 |
| 使える環境 | iOS 版アプリ(バージョン5.0.0以降)。Android 版・Web 版は2026年内に提供開始予定 |
| 通貨ペア | BTC/JPY、ETH/JPY、XRP/JPY |
| レバレッジ | 最大2倍(個人の必要証拠金率50%) |
| 対象 | 同社の暗号資産現物口座を開設済みで、所定の適合性確認等を完了した個人(法人は2027年以降に対応予定) |
| 口座 | 「Coincheck」の口座開設に加えて、「Coincheckレバレッジ」の口座開設が必要 |
| 主な機能 | ショート(売建て)/成行・指値・逆指値・スピード注文・全決済注文 |
| 取引時間 | 24時間365日(メンテナンス時を除く) |
| 根拠の登録 | 第一種金融商品取引業(関東財務局長(金商)第3540号) |
日本円を証拠金として入れ、その最大2倍の金額まで取引できる仕組みです。現物の口座とレバレッジの口座のあいだでは、日本円を振り替えて使います。
コインチェックでレバレッジができないのはなぜ?当てはまりうる条件
発表に書かれている条件から、「使えない」ときに当てはまりうるものを並べると、次のとおりです。
| 条件 | 発表の記載 |
|---|---|
| Android・パソコンで使っている | 提供は iOS 版アプリだけ。Android 版・Web 版は2026年内の予定 |
| アプリのバージョンが古い | iOS 版アプリのバージョン5.0.0以降が対象 |
| まだ対象に入っていない | 提供開始時から「対象ユーザーを段階的に拡大しながら提供」 |
| 適合性確認が終わっていない | 所定の適合性確認等を完了した個人が対象 |
| レバレッジの口座を開いていない | 「Coincheckレバレッジ」の口座開設が別に必要 |
| 法人口座 | 法人は2027年以降に対応予定 |
段階的な拡大の範囲とスケジュールは、発表には書かれていません。
2020年にレバレッジが終了したのはなぜ?告知に書かれていたこと
コインチェックは2019年12月16日、「「レバレッジ取引」のサービス提供終了について」を出しています。中身は次のとおりでした。
- 取引終了日は2020年3月13日(金)12:00
- 告知の時点で、レバレッジ取引の新規注文はすでに止まっていた
- ポジションを持つ人は期日までに決済し、レバレッジアカウントの日本円を取引アカウントへ振り替える(振替の期限は2020年3月末)
- 期日までに決済されなかった分は、同社が順次決済して日本円にする
終了の理由は、この告知には書かれていません。
同じ2020年3月13日には、「信用取引」も終わっています。こちらは2017年5月から新規の借入を止めていたサービスで、告知には「代替となるような新サービスの提供を検討」とありました。
今回の Coincheckレバレッジについて、発表は「第一種金融商品取引業の登録に基づき提供する」と書いています。2020年のときの告知と、今回の発表を並べた年表は次のとおりです。
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2017年5月 | 信用取引の新規借入を停止 |
| 2019年12月16日 | レバレッジ取引の終了を告知(新規注文は停止済み) |
| 2020年3月13日 | レバレッジ取引・信用取引が終了 |
| 2026年9月24日 | 「Coincheckレバレッジ」を iOS 版で提供開始(第一種金融商品取引業の登録に基づく) |
| 2026年内(予定) | Android 版・Web 版の提供開始 |
| 2027年以降(予定) | 法人への提供 |
最大2倍だと、値動きは証拠金にどう響くか(計算)
最大2倍の意味を、数字で置いてみます。手数料やロスカットなどの条件は入れていない、単純な計算です。
前提: 証拠金10万円で、2倍いっぱいの20万円分の BTC を買い(ロング)で持った場合
| BTC の価格の変化 | 20万円分の損益 | 証拠金10万円に対する割合 |
|---|---|---|
| +10% | +2万円 | +20% |
| −10% | −2万円 | −20% |
| −25% | −5万円 | −50% |
| −50% | −10万円 | −100% |
価格の変化が、証拠金に対しては2倍の割合で響きます。2倍いっぱいで持つと、計算上は価格が半分になったところで証拠金と同じ額の損失になります。
実際には、損失が一定の水準に達したときの強制決済(ロスカット)や手数料の条件がかかります。それらの条件は、今回確認した発表には書かれていません。
税金はどうなる?暗号資産の証拠金取引は総合課税(国税庁FAQ)
国税庁の「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」(令和7年12月最終改訂)の問2-12は、暗号資産の証拠金取引について次のように答えています。
暗号資産の証拠金取引による所得については、租税特別措置法に規定する申告分離課税(先物取引に係る雑所得等の課税の特例)の適用はありませんので、総合課税により申告していただくことになります。
FAQ は、FX(外国為替証拠金取引)は申告分離課税の対象である一方、暗号資産の証拠金取引は租税特別措置法の規定で対象から除かれている、と説明しています。このFAQは令和7年12月1日現在の法令に基づいています。
暗号資産の譲渡益などに申告分離課税を入れる法律は、2026年3月31日に成立・公布されています。適用の時期と、対象になる範囲の決まり方は、金融庁の暗号資産11項目要請とは?出庫制限と税制改正の現在地で整理しています。その改正が暗号資産の証拠金取引(CFD)にどう及ぶかは、今回確認した資料からは特定できていません。
FX との課税の違いは、コピトレの税金と確定申告でも扱っています。個別の申告での扱いは、税務署または税理士への確認事項のひとつです。
この件が示していること:コインチェックの秋は「変更」が続いている
コインチェックでは、この秋に利用者の操作に関わる変更が続いています。このサイトで取り上げたものを並べると、次のとおりです。
| 日付 | 変わること | 記事 |
|---|---|---|
| 2026年9月15日(予定) | 新しく登録したアドレスへの送金を一定期間制限 | コインチェックで「新しく登録したアドレスに送金できない」期間ができる |
| 2026年9月24日 | Coincheckレバレッジを iOS 版で提供開始 | この記事 |
| 2026年10月19日 14:00 | 取引所の手数料が段階制に(BTC/JPY 以外) | コインチェックの取引所手数料、10月19日から段階制に |
| 2026年10月26日 14:00 | DAI の取引所での取扱い停止 | コインチェックのFLR・DAIが取扱い廃止 |
| 2026年11月2日 14:00 | FLR・DAI の外部への送金停止(廃止日) | コインチェックのFLR・DAIが取扱い廃止 |
同じ取引所の中で、使える取引の手段が増える一方、扱う銘柄が減り、送金と手数料の条件も変わっています。
2020年に終わったときは、新規注文を先に止め、最後は残ったポジションを同社が決済する、という終わり方でした。今回は、iOS 版から、対象の利用者を段階的に広げる始まり方です。
2倍いっぱいの20万円分で持ったとき、価格が何%動いたら、証拠金の半分がなくなるでしょうか。
現時点で未確定の事項
- ロスカットの水準・追加の証拠金の条件・手数料(今回確認した発表に記載なし)
- 対象ユーザーの段階的な拡大の範囲とスケジュール
- Android 版・Web 版の提供開始日(2026年内の予定とだけ記載)
- 2020年3月にレバレッジ取引を終えた理由(当時の告知に記載なし)
- 2026年3月に成立した暗号資産の申告分離課税が、暗号資産の証拠金取引(CFD)に及ぶかどうか
出典・確認日
- コインチェック「Coincheck、暗号資産レバレッジ取引サービス「Coincheckレバレッジ」を提供開始」(2026年9月24日)
- コインチェック「「レバレッジ取引」のサービス提供終了について」(2019年12月16日)
- コインチェック「信用取引のサービス提供終了について」(2019年12月)
- 国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」(令和7年12月最終改訂)
確認日: 2026年10月4日。本記事は公表資料の記載を整理したものであり、特定の取引や投資判断を推奨するものではありません。レバレッジ取引では、価格の変動により損失が生じる場合があります。
この記事のまとめ
- コインチェックは2026年9月24日、暗号資産のレバレッジ取引(CFD)「Coincheckレバレッジ」を iOS 版アプリで始めました
- 倍率は最大2倍(個人の必要証拠金率50%)、通貨ペアは BTC/JPY・ETH/JPY・XRP/JPY です
- 使えるのは、現物口座があり所定の適合性確認等を終えた個人で、別に「Coincheckレバレッジ」の口座開設が必要です。対象は段階的に広げている途中です
- Android 版・Web 版は2026年内、法人は2027年以降の予定です
- 前のレバレッジ取引は2020年3月13日に終わっていました。当時の告知に終了の理由は書かれていません
- 2倍いっぱいで持つと、計算上は価格の変化が証拠金に対して2倍の割合で響きます
- 国税庁FAQ(令和7年12月1日現在の法令)では、暗号資産の証拠金取引は申告分離課税の対象外で、総合課税です
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